※※第108話:Happy Birthday(&Christmas Eve!).2







 「お好きなように、抱いてください…」

 ナナはふるえるくちびるを、おもむろに開いた。


 「そんな可愛いこと言ってんのは、この唇か?」

 ぷっ…

 隣から、そうっと親指で、くちびるを撫でられる。




 「あ……」
 火照り過ぎたナナは、ちょっとだけ俯き、

 「こっち向いて、…塞ぐから、」

 とびきり甘く囁かれて、ゆっくりと彼を見た。







 ちゅっ…

 頬が両手で挟み込まれて、くちびるはやわらかく重なる。


 くちゅ…っ

 途中からディープに切り替わって、艶かしく舌を絡めていった。




 「ん…っ、…んっ、」
 下手をすれば後ろのめりに倒れてしまいそうなナナを、つよく抱きしめて薔は何度も舌を入れてくる。

 くちゅくちゅっ…

 くちびるはくっつけたまま唾液で音を立て、回すように舌を絡めたりして。



 「はぁ……っ、」

 一度離してみると唾液が糸を引いて、なんだか止められなくてキスは続行した。

 「ん…っ、」





 ちゅくっ…

 「ん…ふっ、ぅ、ん、」

 息をするのも離れるのも惜しくて、夢中になってくちびるを重ねる。



 「ん…っ、ん、っ、」

 やがてナナは、えもいわれぬ快感を覚え、

 「ん――――――…っ!」

 ビクンとふるえると、達してしまった。





 「はぁ……っん、」

 やっぱり唾液がとろりと垂れて、くちびるは離される。


 「キスだけでイっちゃったのか?」
 薔はクスリと笑うと、ぐったりしてしまったナナを抱きかかえた。


 「悪りぃ、俺は朝までのつもりだ、ベッドで抱くぞ。」


















 ギシ…

 ナナはベッドへ、横たえられました。


 「なんかもう、エッチすぎて困ります…」
 「今に始まったことじゃねぇだろ、おまえも。」

 恥ずかしさのあまり、ナナはすでに表情が恍惚で、

 「ほら、その貌、堪んねぇほどエロいよ…」

 チュ――――…

 再び、くちびるは奪われてしまった。

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