※※第108話:Happy Birthday(&Christmas Eve!).2








 「雅之、ケーキもう一個食べる?」
 「ハニーぃ、いいの!?」

 ナナ父とナナ母も、ふたりっきりの甘い夜とやらを過ごしておりました。

 「いいのよ、私が3カット食べたから、これで雅之と同じ数よ。」
 「あ、なるほど!」
 ふたりして囲んでいたのは、苺が乗ったショートケーキで、

 「今日は雪が降って、よかったわね、雅之。」
 「え?なんで?」

 ナナ父がキョトンとすると、力強くナナ母は言ったのでした。

 「だって、雪が降ったからきっと、ナナは薔くんとずっと一緒にいられたわよ。」

 と。







 「さすがはハニー!」
 感心する、ナナ父。

 「いろんな意味でね。」
 こう付け足したナナ母は、微笑んでカルビーのポテトチップス(コンソメ味)を頬張ったのでした。


















 ――――――――…

 「ふあぁ、もうお腹いっぱいです…」
 なにげに、手作りケーキ以外にもご馳走はあったため、ナナはギブアップした。
 かなり平らげたけど。


 「おまえが作ったから、美味かったぞ、ケーキ、」
 隣で笑っている薔は、ナナのあたまをなでなでする。


 気を利かせた花子は、すでにすやすや眠っております。




 ふたりっきりの時間で、ドキドキして仕方ないナナはとっさに、

 「そ、それにしても、ヨロイを着たサンタさんのプレゼントは、すごいですね!」

 話を逸らしていた。



 「あぁ、そのうち写真でも、送られてくるだろ。」
 「そうなんですかぁ、」


 ……はい、勇ましいサンタさんこと夕月からのプレゼントは、

 タブレットでした。






 物珍しいので、手を伸ばそうとしたナナの手に、

 ぎゅ…

 薔の手が重なる。


 ドキドキは最高潮か、抑えられない鼓動を隠すためナナが少し俯くと、

 「なぁ、」

 耳もと、ふっと、薔は囁きかけたのでした。

 「今夜はすげえ優しくしてやる…、抱いてもいいか?」

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