※※第108話:Happy Birthday(&Christmas Eve!).2
「OH〜!予想外の休校に、ワタクシちと早く出発いたしマース!」
若干鼻息が荒いハリーは、最敬礼をしてみせた。
「ハリーさん、プレゼントは持った?いつもと同じ格好だけど、大丈夫?」
玄関にて、焼きチョコベイクを頬張るナナ母は、半ば見下ろしながら尋ねます。
「大丈夫デース!コチラ〜、20着のなかのイッチョウラデース!プレゼントも、ばっちりこの手ニ〜!」
「あらそう。」
ナナ父の誕生日にわら人形をプレゼントしたハリーが、彼女へのクリスマスプレゼントに何を持ったのかはいささか心配ではありますが、
「でハ〜、行ってまいりマース!ハニーさんもマサと〜、良いお夜ヲ〜!」
ルンルンと鼻おじさんは、葛篭先生のもとへ出発したのでした。
「ハリーさん、去り際の挨拶が間違ってるわよ。」
焼きチョコベイクを頬張るナナ母は、ちゃんとそのことを見えなくなってから指摘したんだとさ。
――――――――…
「うわわわわわ…!」
玄関のドアを開けた愛羅は、大きなリュックを背負っている羚亜を見たとたん、口をあわあわと動かし始めた。
「愛羅さん、メリークリスマス!今夜泊まってもい」
「朝まで一緒にいようっ!」
……がしっ!
とりあえず羚亜の質問は、愛羅の要求により確認できまして。
「やだもう、気が利く羚亜サンタさんきたあ!」
「愛羅さん!?なにそれ!?」
大きなリュックはプレゼントの袋に、見立てられちゃったのか、
「上がって〜!玄関でチュウしよ〜!」
「うわあ!」
バタン――――――…
ドアは閉められた。
「ちょっ…、愛羅さん、そんなとこに、手…っ、…ん、」
「羚亜くんの、硬くなってきたあ…」
……さすがは、肉食系女子!
――――――――…
「うーん…、いざ作ろうとしましたら、なんだかこんがらがってきちゃいました……」
材料をまえにし、エプロン姿のナナはうんうんと唸っていた。
「なんだ?その可愛さは。押し倒してもいいか?」
「えええ!?」
至って落ち着いているように見えて、薔はその姿にムラッときちゃったようで。
「ダメですってぇ…っ、ケーキ焼きましょうよぉ…、…んっ、」
「あ?」
ナナは後ろから抱きしめられて、キスとかされちゃったのですが、
「仕方ねぇな、俺も手伝ってやる。」
「あ、ありがとうございます、って、息…っ、ぁ、」
結局、ふたりしてケーキ作りを開始する模様です!
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