※※第108話:Happy Birthday(&Christmas Eve!).2







 突然の休校で、外は雪なためやたらまったりしておった。

 が、ナナは(自分で作ったわけではない)昼食を終えてからも、なかなか“おめでとう”が言い出せずにおり。


 こころなしかしゅんとしていると、

 「さて、」

 ふと立ち上がり、薔が言ったのでした。

 「出かけるぞ、」
















 ――――――――…

 粉雪のなかを、相合い傘して歩いた。
 ナナはいてもたってもいられず、無理してだか明るく振る舞っていたようですが。



 さほど積もりもしない雪は、それでも積もろうとしているかのよう、ただ静かに降りつづく。










 「いらっしゃいませ〜!」

 スーパーでは、サンタとは程遠いにもほどがある川口サンタさんが、これでもかと言うほどの営業スマイルを振りまいていた。


 「あの衣装もきっと、SMクラブで使用するのよ…」
 「まぁ…」

 雪の中わざわざいらした奥様方は、噂話に花を咲かせます。




 そんななか、

 「お、お師匠さまーっ!」

 川口サンタが、歓喜の雄叫びをあげた。





 「お久しぶりです、奥さんとお買い物ですか?」
 「前半は間違ってるが、後半はほぼ正解だ。」
 「ありがたき幸せ!」


 この間、ナナは真っ赤になってぶるぶるとふるえていた。
 寒さによるものではなく。





 「あの子がいるSMクラブなら、行ってみてもいいわねぇ…」
 「そうねぇ…」



 場は、かなり和んだ。




 川口さんはここで、ちょっとしたクリスマスプレゼントをゲットした。











 何を買いにきたのかと、ナナが思っておりますと、

 「今日はおまえが焼くんだろ?必要なモン入れろよ、」
 「はい…?」

 カートを手にしている、薔は言ったのです。

 「桜葉と練習したんだろ?」






 あ、ケーキのことですか、と気づけたナナさんは、

 「えーと、そうですね…」

 キョロキョロと、必要な材料を、探し始めたのだった。
















 ――――――――…

 「姉ちゃん、ひまーっ!はやくゾーラ兄ちゃんち、行こうよお、」

 ゲイちゃんはお昼寝中なため、退屈になってきた司はだだをこね始めた。


 「まだ時間じゃないからぁぁ、そのまえに慎くぅんと遊んできたらぁぁ?」
 雑誌でメイクの研究中なこけしちゃんは、ニコニコと返します。


 すると、

 「えーっ、やだよお、慎くんこないだ、おれのこと押し倒したからこわいんだよお、」

 司はちょっとだけ、肩を落とした。






 ぴくぅぅん

 おっとりにおいてのすぐさまで、雑誌を閉じたこけしお姉さんは輝く瞳で言いました。

 「司ぁ、そのときの状況、お姉ちゃぁんに詳しく聞かせなさいぃぃ。」

 ってね。






 こけしちゃんはここで、思いがけないクリスマスプレゼントをゲットできた。





 ちなみにもうひとつあるんですけど、それはいつゲットできるかな?

 じつは、薔が休校を知ったのは、LINEでのやりとりでした。

 ゾーラ先生とのね!

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