※※第107話:Make Love(&Piledriver sexual).51







 「えと…、どのようにあたためますか…?」
 もじもじと、ナナは聞き返す。


 「それはおまえ次第だな、」

 ふわ…

 薔は伸ばした手で、彼女の髪を撫でながら、

 「どうする?」

 やさしくとどめをさした。






 「だ、抱きしめます…」

 ナナは恥じらいながらも、おもむろに両手を伸ばし。

 「ふーん、」
 さらに妖しく微笑むと、

 ギシッ…

 薔は彼女と向かい合うようにして、ベッドへ身を委ねた。

 「なら、抱きしめてもらおうか、」













 ぎゅっ…

 抱きしめる、というより、抱きしめあっていた。

 「あったかい、ですか…?」
 「ん…、そうだな、」

 愛おしい匂いに包まれ小さく尋ねてみたナナでしたが、声はまるで囁きみたいに耳もとへ掛かるため、

 「ん…っ、」

 ぴくんっ…

 否応なしに、疼いてしまう。




 「これだけで感じてんのか?」
 「だってぇ…っ、ぁ、あ…」
 心地よい声が、染み入るみたいでひどく気持ちいい。


 密着して、体温と鼓動も伝わりあうなか、

 「はぁ…」

 とうとうナナは、そうっと吐息を吹き掛けられてしまったのである。




 「ぁ…あっ、ン、」

 びくんっ

 思わずかなり、ふるえる。




 「どーした?」
 「や…っ、も、ダメ…です…」

 囁きは容赦なくて、ナナが下半身にまでどんどん感じちゃっておりますと、

 「そんな声出してんのに、ここで止めるのか?」

 耳にキスをするかのごとく、甘く問いかけられた。




 「……あ、のっ、」
 全身のちからが抜けてゆくようで、うまく言葉が返せない。


 「確かに躰は、熱くなってきてるよな…」
 そして薔は、そう囁いてから、

 かぷ…

 耳を甘噛みしてきたのだ。




 「やん…っ、」
 堪らずふるえて、上擦る声。

 「ほら、この後どうされるのかも、おまえ次第だぞ…」
 吐息があまりにもエロティックで、理性はだんだん持ってかれる。




 「あ…っ、薔っ…」
 「ん?」
 そして火照りすぎたナナは、強くてしなやかな腕のなか、告げたのでした。

 「エッチしたい…です……」

 と。








 「淫乱…」

 薔は耳もとで、クスリと笑うと、


 「それでいい…、俺を欲しがるときはな、」


 チュ――――…

 くちびるを奪いにきた。

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