※※第107話:Make Love(&Piledriver sexual).51







 「…っくしゅ、」

 ナナは小さくくしゃみをした。
 歩きながらくしゃみをしたのは、なぜかナナのほうだった。



 (あああ、鼻がくすぐった)
 「なぁ、」

 …………ドキッ!


 ムズムズする鼻をこすっていると、ふと声を掛けられた。



 「ははははは、はいっ、」
 「おまえ、今のくしゃみだよな?」

 頬まで赤くして隣を見ると、至って落ち着いている薔は確かめてきまして、

 「そ、そうですけど…」
 「すげえ可愛かった、もう一回出してみろ。」

 ……ええ!?

 意外?な要求まできちゃったんです。




 ナナはとりあえず、鼻を動かそうとしたり色々試みたのですが、

 「出そうと思ってても、出ませんけど、」
 「あんま出すとか言うな、」
 「ぇぇえ!?」

 そう簡単には、出なかった。
 くしゃみだし。



 …マンションに着いたら、こよりとか作ってみたらどう?








 「そそそれより、今日もお菓子とか買っていただいて、ありがとうございます!」
 「帰ったらまず勉強だぞ?」
 「えーっ!?」



 ……こよりは?






 とまあこんな風に、たいそうイチャイチャしながらふたりは帰っていったんだとさ。

















 ――――――――…

 「おおおっ!薔のおかげで、このページも全部解けました!」
 達成感に満ちるナナは、歓喜の声を上げた。


 「あと少し、がんばります!」
 と意気込み、ページをめくろうとすると、

 「なかなか出ねぇな、」

 ちょっとだけ下のほうから、彼の声は聞こえてきたのである。


 ………………はい?


 目をぱちくりさせたナナが、隣を見ますと、

 「こいつ突っ込んでみてもいいか?」

 テーブルに頬杖を突き彼女を見ていた薔は、例の紙縒なるものを用意しておった。



 ……うん、君がそれ言うと、まったく別の意味に捉えられがちだよ?






 …なななななにこちら、

 かわいい!!!!






 そこはかとなく卑猥などなんのその、キュンとしまくったナナさんは、

 「ちょっとそのままでお願いします!」

 真っ赤になって、大急ぎで写真を撮ろうとした。




 ところが、その瞬間鼻をくすぐられてしまったため、

 「……っくしゅ、」

 ようやくくしゃみは出たんです。




 「あー、やっぱすげえ可愛いな、」
 「ちょっと!やめてくださ…っ、ふ…っ、…っくしゅ、」





 …――お勉強はどうなった!?

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