※※第105話:Make Love(Climax?).49







 こけしちゃんは密かに、醐留権のベンツで家まで送ってもらいました。


 門より手前で、いったん停車しまして、

 「桜葉、少しいいかい?」
 「少しじゃなくてもぉ、大丈夫なのぉぉ。」

 改まった醐留権は、ついに申し出た。

 「クリスマスイヴに、毎年家でパーティーを開くんだが、今年は桜葉のご家族もお呼びしたいんだ。」

 と。







 どきぃぃっ

 としたこけしちゃんは、頬を赤らめまして、

 「無理にとは、言わないよ。」

 微笑んだ醐留権は、彼女の前髪をそうっと撫でる。




 「えっとぉぉ…、大丈夫だとぉ、思いますぅぅ…」
 もじもじとこけしちゃんが、応えますと、

 「良かった、もちろん、クリスマスはふたりきりで過ごそう。」

 と、醐留権は告げてから、

 ちゅっ…

 彼女のくちびるに、やさしくキスを落としたのだった。















 バタン―――――…


 真っ赤のこけしちゃんが降りてから、ベンツはゆったりと発進してゆきました。



 「ただいまぁぁ。」
 こけしちゃんが、玄関のドアを開けると、

 「おかえり、姉ちゃん、聞いてよーっ!」

 ゲイちゃんを抱っこした司が、すぐさま駆け寄ってきて尋ねました。

 「おれ、女みたいな可愛い顔してるう?」

 ってね。






 「誰かに言われたのぉぉ?」
 靴を脱いで上がったこけしちゃんが、ニコニコと返すと、

 「慎くんが言うんだよお、おれのこと可愛いって……」

 司は、仏頂面になった。




 「司ぁ、お姉ちゃぁんにその話ぃ、詳しく聞かせなさいぃぃ。」
 こけしちゃんの瞳は、パァァと輝きました。




 “どうやらお前の弟は、受けだったようだな、”

 早く司の腕から降り立ちたいゲイちゃんは、ふあぁと大あくび。





 …――これにて、一件落着!

  かもね!

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