※※第105話:Make Love(Climax?).49
休み時間。
彼女の様子を窺いに来た醐留権は、
(桜葉、いつにもなく愁いを含んで、また素敵だな…)
なかなか声を掛けられない雰囲気に、とりあえず前方のドアから見守ることにした。
そして、
(おや?三咲もいつにもなく、元気がないじゃないか。まさか暮中と、何かあったのか?)
とか思いながら、隣のナナのほうを見てみた瞬間、
………………はっ!
醐留権はただならぬ視線を、感じ取ったのである。
そのまま後ろのほうへ、目をやって見ると…、
なに見てんだ?
と、とてつもなく険しいオーラで薔は言っていた。
ギャラリーさん方は険しさを覚りつつも、萌えておる。
違うんだ、暮中、私は桜葉を見にきただけなんだ、
と、醐留権は眼鏡越しの視線で返します。
このとき、
………………はぁぁっ!
腐的な直感だかが、研ぎ澄まされちゃったこけしちゃんは、
(あぁぁ、見つめあってるぅぅっ。)
たいそううっとりと、ふたりの無言の直視を凝視した。
「?こけしちゃん、どうしたの?」
「ナナちゃぁん、あたし今日ねぇ、お弁当いらなかったかもぉぉ…」
「えええ!?具合でも悪いの!?」
……まったくの逆だよ。
…――三度の飯より何とかってやつね!
若干和んできたところで、ナナ宅、いきます!
「OH〜、もうすぐクリスマスデース!ワタクシ〜、実穂子さんと、ふたりっきりの甘い夜とやらヲ〜、過ごさせていただきマース!」
ポワンとするハリーは、柿の種を頬張りながら言いました。
「あらそう、良かったわね、ハリーさん。」
同じく柿の種を頬張るナナ母は、力強く微笑みます。
「ハニーさんモ〜、マサとふたりっきりで甘い夜とやらヲ、お過ごしくだサーイ!」
「ええ、そうするわ。」
ふたりはキッチンでポリポリと、柿の種を頬張りながら寛いでおりまして、
「HAHAHA〜!柿の種にハ〜、比較的柔らかくて塩気のあるものもあるんデスネ〜!」
「ハリーさん、これは立派な、お菓子なのよ。」
のほほんとしてすする日本茶は、これまた美味しいのであった。
このぶんでいくと、クリスマス(イヴ)には、甘い夜が盛りだくさんなのか!?
……もしかするとそうでもないのか?
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