※※第104話:Make Love(&Lesson).48








 「姉ちゃーん、ゾーラ兄ちゃんとこ行くのお?」
 玄関にて、出掛けようとしていたこけしちゃんに、弟が元気よく声を掛けてきた。


 「そうぅよぉぉ。司は大好きなマスクァレイジャーでもぉ、お母さぁんと仲良く観てなさいぃ。」
 ニコニコと、マスクァレイジャーに救ってもらおうとしたこけしちゃんでしたが、

 「マスカレイジャーは終わったもーん!おれもゾーラ兄ちゃんち、行くーっ!」

 正義のヒーローも忙しかったようで、司はだだをこね始めた。




 「ダメに決まってるでしょうぅ?」
 「やだあーっ!」
 こけしちゃんは若干、おっとりにおいてプリプリしておりまして、

 「おれも連れてってよお、姉ちゃーん、」
 なんだかウルウルと、泣きそうになった司は、

 「おれ、ゾーラ兄ちゃんに、男の相談したいんだよお…」

 と、打ち明けたのでした。





 「司ぁ、外は寒いからぁぁ、あったかい格好してきなさいぃ。」
 こけしちゃんは、目をキラキラさせて了解した。
 シチュエーションに、萌えたからだ。


 「うんっ!」
 大きく頷いた司は、いったん奥へと駆けていった。


 「あぁぁ、ゾーラ先生ぇにぃ、一報入れとかなきゃあぁ。」
 こけしちゃんはいそいそと、携帯をバッグから取り出したのでした。







 ……さあ、姉弟そろって、

   レッツ醐留権邸!
















 ――――――――…

 ナナはこの日、お手伝いとして洗濯物でも干そうと思ったのだけど、立派な乾燥機というものがございましたので花子とベランダでひなたぼっこをすることにした。



 「ひなたぼっこしようと思ったんだけど、花子ちゃん、さすがに12月だから寒いね…」
 「ワン!」
 ところが、5分と経たないうちに、寒くて仕方なくなったようだ。

 「それにこんなことしてると、あのひと拗ねちゃうもんね…、そうだ、そのお姿だけ見てから、中に入ろっか?」
 「ワゥン♪」
 こんな風に乙女たちは、乙女チックな計画をコソコソと立てまして。



 「あああ、今日はほんとうに、いいお天気だね!寒いけど!」
 のびのびと背伸びをしながら、ナナは階下を見下ろした。





 すると……、


 路上より、見たこともない男性に手招きをされたのだ。

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