※※第100話:Make Love(in Bathroom).45






 湿ったバスルームのなかには、ボディソープの甘い香りが漂って、息づかいや声はエロティックに響く。


 泡はヌルヌルと、揉み上げるみたいに乳房を撫でて、

 「あ…っ、あ…のっ、」
 「ん?」

 ビクビクとふるえながら、ナナはおもむろにくちを開いた。

 「真ん中は…っ、洗って、くださないん…っ、ですか…っ?」

 と。




 「どこのこと言ってんだ?」
 「や…っ、息…っ、」
 じれったさに泣きそうなのに、さらに焦らされ疼きます。


 「……っん、あ…っ、」
 ナナは潤んだ瞳で、鏡を見つめると、

 「あの…、ここ……」

 自ら乳首に触れて、せがんで見せた。


 ところが、

 「それなら自分で、弄れるよな?」

 クスッと笑った薔は、ちょっとイジワルに返してきたのだ。




 「ん…っ、……ん、」
 かなり涙目になりながらも、ナナは自分で自分の乳首を、

 クリッ…

 泡と共にゆびで遊びだした。



 「はぁ…っ、はぁ…っ、」
 上がる息も、バスルームに響いて官能を刺激する。


 ふたり一緒になって、乳房を愛撫しながら、

 「ナナ、こっち向いて、」
 「は…ぃっ、」

 チュ――――…

 くちびるも重ねた。


 「は……ぁっ、」
 後ろから覗き込んでキスをされているため、ナナは無我夢中で舌を伸ばします。


 ヌルッ…

 薔は両手で、愛撫をつづけながら、

 「手が疎かになってる…」

 少しだけくちびるを離し、まだ触れあう距離で誘うように囁いた。



 「ん…っ、んっ、」
 ナナはキスをされながら手を動かすのだけど、全身のちからを奪われてゆくためすぐに困難となった。


 ちゅぷっ…

 舌が、舐めまわすみたいに深くへ入ってゆっくり抜かれてゆく。

 「ぁん…っ、んぅ……っ、」
 もはやナナは、キスに耽溺していて、

 キュッ…

 突然、焦らされつづけていた乳首を、やさしく摘ままれた。


 その瞬間、

 「んあ…っ!」

 ビクンッとふるえ、ナナは達した。

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