※※第100話:Make Love(in Bathroom).45






 「あ…の、」

 ナナは何かを言いかけたのだけど、言葉が続いて出てこなくてひどくくるしくなった。


 そのうちに、

 ちゅっ…

 薔は掴んでいたナナの手をそっと持って、キスをし始めたのである。



 とりあえず花子は、リビングでウトウトしております。





 「くすぐったい…です……」
 全身を火照らせ、ナナはおもむろにくちを開いた。

 「アイツに触られたろ?だから、消毒してんだよ、」
 心なしか潤んだ瞳で、見上げ、薔はくちびるを離そうとしません。


 「あ……っ、」
 この段階でナナはかなり感じてしまい、下着が濡れてゆくのが、手に取るように、わかった。







 リップ音を立て、くちびるは手をやわらかく愛撫してゆく。

 右手のあとは、左手もしなきゃなんだけど、

 「ナナ、」

 ふと、名前を呼んだ薔が、

 ぐいっ

 半ば強引に、彼女を引き寄せた。




 座っている薔のうえに乗っかるくらいになって、

 ぎゅ…

 ナナは抱きしめられる。





 体温と大好きな匂いが、目眩を覚えるほどに彼女を包み込んで、

 「好きだよ、さっきは嫉妬で、どうかしそうだった…」

 耳もと、薔は囁いた。

 「でももうおまえは、からだじゅう俺に汚されてるもんな…」








 微動だにできない。

 ただ、高鳴るばかりの鼓動は、おかしいくらいに伝わっているだろう。


 「はぁ……」
 吐息が耳に吹き掛けられて、ビクンとしたナナはようやく動く感覚を取り戻したのだった。






 そして、

 「疲れたろ、風呂…行くか?」

 甘い誘惑に、

 こくん…

 頷いて、ナナは素直に誘われた。




 「そう、いい子だ…」

 頭をやさしく撫でると、薔は彼女の手を取った。















 脱衣場に、たどり着きまして。

 「脱がしっこするか?」
 「はい…」

 まずは脱がしあいながら、狂れてゆく夜は幕を上げた。

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