※※第100話:Make Love(in Bathroom).45







 この日、タイミングが絶妙にいいのであろうなこけしちゃんは、水分補給のお供として一日中緑茶を携帯していた。


 「おまえ、それ持って桜葉んとこ行ってこい。」
 「かしこまりました!」

 薔が促したため、小さなブタさん貯金箱を手にしたナナは、教室にて親友のもとへと駆け寄っていった。






 「こここけしちゃん…!」
 「あぁぁ、ナナちゃぁん、いいところにぃぃ、」

 …………えっ?


 にっこにこのこけしちゃんは、ナナがまだ何も言わないうちから、

 ……ヒラリッ

 小さな黄色いラベルを、貯金箱の中へと舞い落としたのです。

 「エヘヘぇ、まずは一枚目ぇぇ。」





 こけしちゃ――――――――――――ん!!









 「ありがとう!こけしちゃん!わたしもこれ、ほしくて仕方ないんだけどね、薔が集めてるみたいだから今回は我慢するよ!」
 「やぁっぱりぃ、ナナちゃぁんがぁ、ほしくて仕方ないのよねぇぇ。」
 「うん!」

 ……ナナはわかっていないようですが、こけしちゃんはニコニコとお見通しであります。






 ……えっと、このクラスの者は、そのブタさん貯金箱に入れてもよろしいんですかね?近いんで。

 と、クラスメートの皆さんは聞けるものなら聞いてみたい。




 かくして、期間限定の“一日中緑茶旋風”は巻き起こったのだ。













 ――――――――…

 学校の自動販売機には、残念ながら“一緑”は置いてございませんでした。


 「とりま帰り道にさぁ、落ちてないか探してこうよぉ、明日のぶん〜、」
 「あんたそれ名案〜!」

 少しでも数を多くしようと、いくつかのグループは帰り道にて探索することを思いついたようで。





 すでにラベル箱の中には、初日だというのに三桁近くが集まっていた。

 オリジナルあったかバスタオルが当たるAコースは、ラベルを10枚必要とします。
 ちなみに一枚のハガキで、お一人様3口まで応募できます。

 欲張ったとして、一枚のハガキにそれ収まりきるのか!?

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