※※第98話:Make Love(&Knife).44







 壊したくて護りたい、逆らい難い独占欲。

 愛とは何かと言えば、覚悟にも似た激情か。











 切なさで窒息しそうななか、ふたりはただ互いの体温を感じ、抱きしめあっていた。


 そして、

 「もう一度最後の、言えよ、」
 「えっと、あの、わたしは薔が大好きです…、ほんと、大好きなんですよ…」

 ふっと、何気なく、再び会話は始まって。




 「おまえそれ、反則な?」
 「え…っ?」
 薔は笑って、ドキッとしたナナが顔を上げた瞬間、

 ちゅっ…

 またしても、キスをされて。




 ただやわらかく触れあって、僅かばかりに離して甘く見つめあうと、

 「泣かせて、ごめんな?」

 涙が乾いた頬をやさしく撫でながら、薔は確かめてきた。

 「もっと泣かせちまうかもしんねぇが、抱いても…いいか?」







 こくん…

 言葉が出てこなくて、火照りすぎたナナは黙って頷く。

 「あぁ、ほんとおまえは、可愛いよ、ナナ…、」
 薔は切なげに微笑んで、告げると、彼女を抱き寄せた。





 ちゅっ…ちゅくっ…

 かなり初っ端からディープで、とろけてしまいそうなキスを交わす。

 「ん…っ、ん……」
 動くくちびるが、くっつくほどに絡まって、ナナは胡座をかく薔の上へといつしか乗せられていた。




 ぐいっ

 ニットは背中からまくり上げられ、

 「脱がすぞ、」
 「は、はい、」

 薔が促してナナが素直に従って、

 バサッ――――…

 上半身を纏う衣服は、ブラジャーのみとなった。



 プツン…

 そのホックはすぐに背中で、片手で外されてしまい、

 「綺麗な肌、あんま傷つけたくねーしな、汗が邪魔すんのは好都合だ、」
 「ん…っ、あ…っ、」

 薔はゆっくり素肌をなぞるように、ブラを両腕へと滑らせていった。




 パサッ…

 するとナナの上半身は、ハダカとなってしまい、

 「ほら、もっと前に来いよ、」

 言葉で薔は、引き寄せて、

 ちゅくっ…

 再び、熱くくちづけた。

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