※※第98話:Make Love(&Knife).44
そしてこの日、1-5の教室では、
ニコニコニコニコ
机に頬杖を突くこけしちゃんが、いつも通りではありますがやたらニコニコしておりました。
「こけしちゃーん!いつもとってもニコニコだけど、今日もとってもニコニコだね!」
登校してから間もなく、ナナが親友の席へと突っ走ってゆくと(しつこいようだけどここ教室)、
「あぁぁ、ナナちゃぁん、聞いてぇぇ、」
おっとりと身を乗り出すようにして、更なるニコニコ具合のこけしちゃんは親友の耳元でヒソヒソと明かしたのである。
「実は今日ねぇ、ゾーラ先生ぇとデートなのぉぉ。」
と。
「こけしちゃーん!それはほんっとに、よかったね!そして何だかものすごく、くすぐったいよーっ!」
「やっぱりナナちゃぁんはぁ、耳弱いのねぇ?ちなみにあたしは今ぁ、後ろを振り向くことがとてもじゃないけど、できないのねぇぇ。」
………………はい?
くすぐったさに耳を押さえたまんま、ナナはキョトンとして、
「あのさ、薔くん、ちょっとここの答え、教えて…って、どうしたの!?」
「どうもしてねぇぞ?」
振り向いた羚亜は何かを感じ取ったようですが、薔は至って冷静であるように見えます。
……ここはお返しとして、君はゾーラ先生のほうで囁いてみたらどうかな?
こけしちゃんはきっと(絶対、か)、悶え死にを垣間見るから!
こけしちゃんとゾーラ先生は、いったいどこでデートをするのかな!?
――――――――…
すっ飛ばされちゃった感は否めませんが、
やってきましたは、放課後!
ニコニコひとしきりのこけしちゃんは、いちおう部活へと向かいまして。
「おおお!今日はちゃんと、バイトであることを覚えてましたよ!」
「つまり、俺を一人で帰らせても平気ってことだな?」
「ぇぇぇぇぇえええ!?」
慌てながら萌えるナナと、若干ふてくされている薔も仲むつまじく手を繋いで帰って行きました。
「薔くんてさ、なにげに可愛いとこあるよね、」
「やだ〜、羚亜く〜ん、それアブナーイ!」
「愛羅さん!?」
はしゃぐ愛羅ですので、もしかしたらこけしちゃんに感化され始めてるのか?
それならいっそ第二候補を、リクエストしてみればいいさ!
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