※※第97話:Make Love(&Possessive).43






 「んぅ……っん、」
 ナナは薔にしがみついて、甘く溺れてしまいそうなキスをむさぼっていた。
 しかし、あの強くしなやかな腕に抱きしめられたくて、濡らされてゆくのに渇望は迫りくる。


 「はぁ…っ、」
 吸い付くようにして、いったんくちびるを離すと、

 「や…っ、抱きしめて…っ、」

 ウルウルと泣きそうになって、ナナは切望した。


 「服、濡れちまうぞ?」
 「いいれすっ…、濡らし…てっ、」
 くちびるのうえでくちびるを動かし、薔は確かめた後、

 「おまえが濡らす、つったのは、どうなったんだよ、」

 それは妖艶な笑みでナナをつよく抱きしめると、

 くちゅっ…

 今度はすぐさまディープなキスで、理性を奪いにきた。






 「ん…っ、ん……ぅっ、ん、」
 ナナは目眩すら覚え、湿りゆく服の上からはそっとゆびが肌に食い込む。

 クチュ……チュクッ…

 艶めくばかりのくちびるが、触れあって、混ざりあって、張り付くみたいに互いを求めて止まない。



 そのうちに、濃厚となるばかりのキスの最中、

 スッ――――…

 ナナの背中、服の中へと、薔の手は滑り込んだ。



 「んぅ…っ、ん…っ、」
 ナナのからだは、撫でられてゆく感覚だけでもビクビクとふるえてしまい、

 プツンッ…

 片手でいとも容易く、ブラのホックは外されてしまう。



 乳房は僅かに零れ出て、既に恥ずかしいくらいに立っていた乳首に、ブラの内側が擦れてくすぐったい。




 「は…っ、」
 うっすらと見つめあいながら、いやらしく唾液を一筋に伸ばし、ゆっくりと少しだけくちびるを離した。


 「ほら…、どうしてほしいか、言えよ…」
 「え…っ?」
 くちびるを舐められ、促されるのだけど、

 「も…っ、わかんな…っ、ぁっ、」

 ナナは潤みすぎた瞳で、吐息混じりの声を振り絞った。


 「なら、俺がおまえを濡らすしかねぇだろ、」

 グイッ――――…

 調理台の上、片足を開かれる。


 「んや…っ、そこ、や……」
 ナナは思わず、甘えた素振りで微々たる抵抗をして、

 「こっちしか開いてねぇんだ、ほんとにイヤなら閉じられるだろ?」
 太股にゆびを伝わせ、薔は容赦なく上を目指してゆく。



 クチュ…

 とうとう、スカートの中、パンツの上ではあるが彼のゆびは秘部へと辿り着いた。



 「あぁ、こんだけグチョグチョなら、心置きなくどこでも濡らせたか…」
 「やらぁ…っ、あっ、あ…っ、らめぇっ…っ、」
 パンツの上からヌルヌルと、ゆびを動かされております。


 「だったら腰、指に擦りつけてくんなよ、」
 目の前で大胆不敵に囁くと、

 くにゅっ…

 薔は忍ばせた手で、乳房をやさしく揉み上げた。

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