※※第96話:Make Love(+Planetarium).42






 舐めながら抜くように、舌先を絡めて、混ざりあう唾液でチュクチュクと音を響かす。


 「ん――――――――…」

 ソファの上、ぐったりするナナは、既にあまりの気持ちよさにキスだけで軽くイけていた。



 張り付くみたいに動くくちびるが、甘すぎて卑猥だ。
 濡れた舌が煌めきながら絡まって、くるしくて呼吸をするのがひどく惜しい。

 ただ濃厚に、キスをむさぼりつづけていたい。




 「んっ……はぁっ、」
 それでも窒息寸前で、唾液を落としてくちびるを離した。

 「はあっ、はあっ、」
 ナナは胸を何度も押し上げ、荒っぽい息を繰り返す。



 「まだキスしかしてねぇだろ?」
 覆い被さり、囁く薔の髪はサラリとナナの肌に触れて、

 「あ…のっ、」
 「あ?」

 ナナはずっと返したかった想いを、ようやく、吐息混じりに告げました。

 「わたし、薔になら、閉じ込められても、構わない…ですっ、」

 と。




 「そんなんするわけねぇだろ、」
 「でも…、」
 無性に泣きたくなったナナのくちびるに、今度はやさしいキスを落として、

 「安心しろ、おまえの気持ちが聞けただけで俺は充分だ…」

 ちょっと乱れたあたまをよしよししながら、おでこにおでこをくっつけて薔は言った。

 「ただ、時々どうしようもなくなるほど、おまえを、愛してんだよ……」









 きゅう…っ

 ナナも切なすぎて、どうしようもなくなって、

 「うぅぅっ…、薔っ、大好きですよぉっ……」

 泣きながら素直に、彼へと抱きついた。





 「なぁ、おまえの泣き顔、見せろよ、」
 「やですよっ、ヘンですもんんっ……」
 そのためにつよく抱きついているわけではないと思われますが、胸に顔をうずめてナナが泣きじゃくっていると、

 ぐいっ

 ちょっと強引に、両手を取られたのだ。



 「どこがヘンなんだよ、すげえ可愛いじゃねぇか、」
 「んえぇっ…?」
 ナナは涙でびしょびしょになった顔をちょっとだけ上げまして、

 「その証拠に、おまえな、」

 目の前で、落ち着いた雰囲気の薔はこんなことを言ったのであった。

 「勃っちまったんだが、」
 「んきゃあーっ!」

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