※※第96話:Make Love(+Planetarium).42







 (うわぁ…!)

 輝く星々を見上げ、ナナは瞳を輝かせていた。

 穏やかな女性の声で、星にまつわる物語やなんかも語られております。




 (星ってキレイだね!今は昼間だけど、星が見れるんだね!)
 なんだか感慨深いものがあるナナは、右手にぬくもりを感じると、

 (良かった、この星空も、薔と一緒に見れて……)

 こころがとても、穏やかになった。






 みんなそれぞれ、大切なひとの隣で、それぞれに想うところがあって、星空を見上げてる。









 一時間ほどの時間の中に、星座にまつわる話も組み込まれたりして、それはもう奥深くロマンチックであります。

 ただ、先ほどのあの大きな機械が星空を映し出しているのだということに、ナナが気づくまではかなりの時間が掛かった。





 切り取られた中に、小さいけれど壮大な世界は巡ってゆき、辺りが明るくなって上映時間は終えたのでした。


 「あぁぁ、ナナちゃぁん、すっごくキレイだったねぇぇ。」
 感動を親友と分かち合おうと、こけしちゃんはニコニコ隣を見ました。

 「あれぇぇ?明るくなったときはぁ、いたのにぃぃ。」







 ナナは既に、連れ去られた後であった。







 「あたしもぉ、あんな風にゾーラ先生ぇにぃ、さらってほしいなぁぁ。」
 「それは本気か?桜葉、」
 「うんぅ。」

 こけしちゃん、そんなこと言うと先生、張り切っちゃうと思うけど。

 「あたしはどっちかって言うとお、羚亜くんをお持ち帰りしたいな〜、」
 「愛羅さん!?」
 さすがは肉食系女子。




 「みんな…ではないみたいですけど、よろしかったらお昼でも食べに行きます?」
 「OH〜、行きマース!」
 そんでもって葛篭先生の提案で、一足先に一組抜けましたが、こちら様はランチタイムと決め込んじゃう模様です!














 ――――――――…

 連れ去られたナナは薔と、既にホールを後にしていた。

 「あっ、あの…、」
 黙って強引に手を引かれているため、ナナは小さく彼に声を掛けてみる。




 すると、

 ぐいっ

 更につよく手を引かれ、ちょっと細い路地へと連れ込まれた。




 タンッ――――…

 壁に背中を当てられ、

 ちゅっ…

 それは突然の、熱いくちづけ。



 「ん…っ、」

 くちゅっ…と舌を入れられ、ゆびにゆびを絡められた。


 「ん……んっ、は…ぁっ、ん、」
 膝が砕けてしまうため、立っていることがままならないナナを支えるように抱きしめ、薔は息もさせないほどのキスをつづける。



 「は…っ、」
 やがてくちびるを離すと、火照り過ぎていやらしく見つめあって、

 「どうやったらおまえを、独り占めできんだ?」

 またすぐにキスできそうな距離で、くるしげに薔は言いました。


 「いっそ閉じ込めちまいてぇよ、壊したくて壊れそうだ。」

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