※※第96話:Make Love(+Planetarium).42






 「結局、暮中と三咲は誘えなかったな、」
 ベンツの車内にて、醐留権は言った。


 「でもぉ、ゾーラ先生ぇ、向こうできっと鉢合わせすると思うのぉぉ。」
 「ははは、それもそうだ。」
 こけしちゃんは実ににっこにこと述べ、納得した醐留権も笑い始める。

 こけしちゃんの予感はいつも、よく当たりますんでね。


 「土日も羚亜くんと一緒なんて、なんかもう、夫婦になった気分かも〜、」
 「愛羅さん!?」
 うっとりんこの彼女の隣、羚亜は赤面しておる。


 「・・・・・・・・・・・・。」

 運転席の醐留権と、助手席でニコニコ中のこけしちゃんは、いったんとりあえず無言になった。






 ……このぶんでいきますと、誰かさんがふてくされるのは目に見えるようですね!














 ――――――――…

 近くのバス停で降りたナナと薔は、手を繋いでホールへと向かっていた。


 「あっ!薔っ、ザザえもんのポスターが貼ってあります!」
 「おまえはほんと、ソイツ見つけんのにかけては天才的だな、」

 指差し発見したナナの隣、薔はちょっと不機嫌になる。



 ……えーっ!?


 このとき、ナナの胸はなぜだか無性にきゅうっと締め付けられて、

 「すみません!もう二度と見つけないですーっ!」

 必死に叫びながら、

 ぎゅうっ…

 と薔に、抱きついていた。




 「おい、せめてあと100回ぐれえは見つけてやれよ、おまえの特技だろ?」
 「ええーっ!?それ数えるんですかぁ!?」

 こんなふうに交わしておりますが、ナナはけっこうどさくさに紛れております。



 よって、

 「なぁ、ナナ、」
 「は、はいっ、」

 至って落ち着いてですが、薔は言った。

 「見られてんぞ?」
 「ぎゃああ…!」




 ここ、公衆の面前だからね!

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