※※第96話:Make Love(+Planetarium).42
「まずハリーさんは、その牧師さんのような格好でなくて、デートっぽい格好をしていってくださいよ!」
薔が作った朝ごはんを美味しく頬張るナナは、まずハリーに根本的な指摘をしておった。
「OH〜、ワタクシ〜、コレと同じ服でしたら、20着ほど持っておりマース!」
「ぇぇえ!?なんでそんなに同じのばかりを、買っちゃったんですかーっ!?」
さほど衝撃的ではない衝撃の事実に、ナナは若干仰け反る。
「おい、おまえ、落ち着いて食えよ、」
「あっ、はい、…あの、すみません…、おかわりをいただいても、よろしいですか…?」
「いいに決まってんだろ?」
もはや、本格的にどっちが年上なんだかがわからないでありますな。
薔がご飯を装いに行っているあいだ(ナナは行かないのか?)、
「あの〜、マサの娘サーン、」
「はいっ、」
サラダを頬張るナナへと、ハリーはとんでもない伺いを立ててきたのであった。
「ワタクシ、オシャレしたいので〜、旦那さんのお洋服を貸して下サーイ!」
「ほんっと色んな意味で無理だと思います――――――――――――っ!!」
うーっ、ぅーっ…(※そりゃそうであろうなエコー)
旦那さんに対しては特にツッコむことなく、ナナはそちらについて懸命な雄叫びを上げた。
「OHHHHH〜、そんな殺生ナ〜!」
「せっしょうって何ですか!?」
……辞書を引こう。
それより何より、まずサイズ的に無理でして、ハリーが薔の服を着ることこそが殺生だと思われますが、このやりとりはちゃんと丸聞こえである。
「…ゴホッ、ヘンなっ、とこ、入っちゃっ…、ゴホッゴホッ、」
「おまえ、大丈夫か?」
だいぶ大盛りを持ち帰った薔は、ナナの背中をさすり始めた。
「HAHAHA〜!いつ見ても仲良しさんデスネ〜!」
高らかに笑う、ハリー。
…――デートのプランニングはどうなった!?
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