第五話:焼き付く咎







 口を離されてみると、大丈夫だとは思っていたが梨由は噎せてしまった。
 「喉まで入れちゃったから苦しかったかもね」
 噎せ込む妹の姿に笑いながら、武瑠は抱いてその背中を撫でる。
 声色も仕草も、ほんとうに、まだ幼い妹をあやすようで優しく浸透する。
 けれど兄の自身はまだ猛々しく、抱きしめられて噎せながらも梨由は好奇心を抑えることができない。

 湿った布団が肌に張り付いて、少しだけ引っ張られる肌がつねられたような痛みを帯びていた。
 兄はより一層強く、妹を抱きしめてくる。

 「……お兄ちゃん……」
 喉が落ち着いてきた頃に、梨由は武瑠の背中へ両手を回し、兄のぬくもりをもっと自分からも感じようとした。
 まだ兄の味が残っている、深くから、ただただ兄を確かめたかった。
 幼い妹に戻った気分で、素直に甘えようとしたのだ。

 ところが、気づいた頃には梨由は両腕を掴まれ、布団の上へと勢いよく押し倒されていた。

 「初めてでも上手にできたから、ご褒美」
 艶いた内股を、左右それぞれに撫でてゆきながら、武瑠は妹の脚を開かせる。
 妖しい笑みが浮かぶ口元に視線を奪われてしまう梨由の恥ずかしい場所は、兄の目の前へと曝け出された。

 「こっちは奥までいっぱい挿れてあげる…」
 武瑠は汗に濡れたシャツを脱ぎ捨て、避妊具を取り出すと口で袋を破いた。
 袋の残骸は薄暗がりへと無造作に放られる。
 「あ……」
 兄の躰と、スムーズに被せられてゆく様に、梨由は思わず魅入ってしまう。

 「ちゃんと目一杯開いて待ってなきゃダメだろ?」
 すると、急にやや厳しい口調となった武瑠は、妹の腰を両手で荒々しく掴んで引き寄せた。


 「まったく、梨由はいつも肝心なところが甘いんだよな」
 大きく開かれた脚に、ゆびが思い切り食い込んで痛い。
 スキンの纏う先端が、入り口を上下に撫でて卑猥な音を聞かせる。

 「あ…っ、お兄ちゃ…っ」
 襞がふるえれば、中もずっと奥までふるえ、垂れ出す愛液は兄へと絡む。

 「梨由にはどうやったって、お兄ちゃんが必要なんだから」
 焦らすようにして愛液を塗りたくると、武瑠は捩じ込むように一気に挿入してきた。

 「おまえは俺の事だけ考えてりゃいいんだよ……」

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