第二話:密めく熱帯夜







 「濡れてるよ」

 露になった素足の先を、見つめながら武瑠は言った。
 「や…っ、…やだ」
 恥じらう梨由は必死になって、捲り上げられたスカートで隠そうとする。

 「処女だってちゃんと濡れるの、ほんとは知ってるんだろ?」
 武瑠はツッ…と、その脚へゆびを這わせ、

 「梨由は今までにどのくらい、お兄ちゃんのことを想ってここを濡らしちゃったのかな」

 離していった。

 「隠してもいいよ、また後でいっぱい可愛がってあげるから」


 …かぁっ

 目を逸らし、頬を赤く染める梨由。

 「あれ?隠さねぇんだ?」
 笑った武瑠はすでに、トップスのなかへと右手を忍ばせていて、
 「エッチのときにも梨由は、天の邪鬼なんだね」
 プツンとスムーズに、ブラジャーのホックを外した。


 「おっ、お兄ちゃん、なんかすごい、意地悪…」
 梨由は潤んだ視線を、ようやく兄へと送る。

 「煽ってんの?それ」
 武瑠は妹のブラジャーを、膨らみの上へ押しあげると、
 「今日はこんなに優しくしてあげてんのに…」

 クニュッ…

 乳房を揉み始めた。

 「あ…っ」
 梨由の全身は、ふるえる。
 「柔らかくて気持ちいいね、ここ」
 丁寧に、胸を愛撫していた武瑠は、

 クチュッ…

 下着の上から、秘部へゆびを滑らせた。

 「ほら…、梨由が隠さないから、もう触れられちゃったよ?」


 クチュクチュと音は聞こえて、ゆびの動きは絶妙だ。

 「……っん、あ…っ」
 声が、自然と零れ出す。
 じわりと涙は、滲んで。
 頬を伝い落ちた瞬間、見上げた武瑠はただ梨由を見つめ、優しく微笑みかけたのだった。

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