※※第84話:Make Love(+Vampirism).31







 お風呂を共に済ませまして、只今、夜の23時をまわったところでございます。


 「寝るか、今日は疲れたろ、」
 ふたりしてベッドに入り、薔は早めの就寝を提案しましたが、

 「えーっ!?もう寝るんですかーっ!?」

 ひどく残念そうに、ナナはこんなことを言っちゃった!






 「なんだ、おまえは何がしてぇんだ?」

 …………はっ!

 気づくと薔は、妖しい笑みを浮かべております。



 「えええええっと、あの、その、」
 真っ赤になると、ナナの心はまるで見透かされてしまうのですが、

 ギシッ…

 ベッドが軋んで、からだを起こした薔は彼女を覗き込んだ。




 「抱いてほしいか?」
 ひどく近く、ゆびは頬を撫で、髪は肌を滑り、薔は囁きます。


 ナナは黙って、こくんと頷いた。



 「俺もおまえを、抱きてぇと思ってたとこだ…」

 甘い匂いと共に、更に近づいて、

 チュ――――…

 薔はナナへと、くちづけた。







 「ん……っ、」

 ゆびはシーツのうえ、絡まりゆく。

 同時に舌も絡まって、くちびるのあいだ、いやらしい音がしている。


 ちゅっ、ちゅぷっ…

 唾液がくちびるの端を、僅かに伝い落ちて。
 くちびるはやわらかく、艶かしく動いて触れあう。


 「は………」

 何度かちょっとだけ離して、見つめあったりもして、それでもまた濡らしあって、舌を絡め音を立てた。


 「は…ぁっ、」

 離れがたいくちびるを離すと、とろりと糸を引く唾液が、薄明かりのなか煌めいて見える。


 「なんか…すごく…、あつい…」
 「なら、脱がしてやる、」

 既にくたぁっとしてしまったナナを、薔はいったん脱がしにかかった。













 ちゅっ…

 首筋に、少しの強弱をつけ、くちびるが這ってゆく。

 「ん…っ、あ…っ、」
 一糸纏わぬナナは、枕を掴み、ふるえ、声を上げる。

 「おまえの乳首、すげぇ当たってる…」
 薔は脱いでおりませんが、ピンと起っているため擦れるようで、

 「もう赤くなってんだな、」

 とか言いながらも彼は、そっと乳房を揉み上げた。


 乳首には触れないうえ、

 くちゅっ…

 首には舌が滑るのです。



 「んんんっ…」

 ナナはぶるっとふるえると、

 「や…っ、さわって、ほし…っ、」

 もどかしさに懇願した。



 「触ってんだろ、」
 「ん…っ、そこじゃ、な…っ、」

 しかし、胸を包むようにして、乳腺をやさしく揉まれておりますと、

 「あ…っ!」

 ナナはイけてしまった。



 「へぇ、ここじゃねーのに、もうイったのか、」
 「だって、そこも、気持ち…いっ、」

 耳元で声を出されると、それだけでまた全身は疼く。
 涙も既に、ナナの頬を濡らしている。


 「可愛い…、泣いてんだな、」
 薔はクスッと笑い、

 ちゅっ…

 頬へくちづけてきた。


 「あ…っ、あ…」
 くすぐったさや心地よさに、ナナはふるえて、

 クリッ…

 とうとう、薔はゆびさきで、乳首を転がし始めた。




 「あ…ん、あ…っ、」
 ちょっとカラダを反らすと、枕が窄むようにナナの髪を波打たせる。


 ちゅっ

 薔は乳首を刺激しながら、再びくちびるを奪いにきた。

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