※※第84話:Make Love(+Vampirism).31







 衣装はクリーニングに出す前、一度洗濯をしたほうがいいのでそのまま持って帰りました。


 「ワンッ!」
 待ってましたとばかりに、花子が可愛くお出迎え。

 みんなして仲良く、リビングへ向かいました。









 薔が衣装を洗濯機にかけ、戻ると、

 「あのぅ…、」

 リビングで花子と戯れていたナナは、もじもじと何かを言いたげです。


 「なんだ?」
 薔がソファへ座り、いったんリモコンで部屋を暖めだすと、

 「な、撫でてもいいですか…?」

 と、ナナは尋ねたのでした。














 ―――――――…

 「はぁっ、はぁっ、」

 ベッドの上、湿った吐息は中からじわじわと濡らしてゆく。


 「ごめ…、痛かった…?」

 くちびるを血で赤く染めた羚亜は、恐る恐る確かめた。

 「思ってたほど痛くないけど、なんか、ヘンな感じ…」
 熱い呼吸で、首元から血を流す愛羅は応える。



 「俺、女の子の血って、初めて吸ったかも…」
 「やだぁ、なんか嬉しい…」

 白いシーツにはところどころ、乱れた赤い模様が。


 「傷…舐めて消すから…、痛かったら言ってね?」
 「ん…っ、」

 ギシッ…

 僅かながらにベッドは、軋む音を立てた。





 ピチャッ…

 白い肌を流れ落ちた血液が、ブラジャーをも赤く染めている。

 (羚亜くんてほんと、細いなぁ…)

 両手で確かめるその脆さ、

 甘い痛みに、

 堪え難い幸せがあった。




 鼓動の反対に鼓動を感じ、体温は汗を含んでミルフィユのように重なり上がる。



 「愛羅さん…、傷…消えたよ…」

 やがてそっと、羚亜がくちびるを離すと、

 「羚亜くん、お腹、いっぱいになったの…?」

 朧気な瞳で、愛羅は尋ねた。




 「うん、ありがとう、愛羅さんの血、甘くて美味しかったよ、」
 羚亜は笑い、

 「そっか、良かった…、じゃあ、羚亜くん、」
 ガバリと起き上がった愛羅は、

 ドサッ――――――…

 彼をベッドへ押し倒した。




 「なんか濡れちゃったから、このままエッチしよ〜!」
 「うわぁ!愛羅さん!?」


 …さすがは、肉食系女子!

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