※※第80話:Make Love(&Feel…).28








 結局、ポッキーは力尽きた部長さんが配り、本日の活動も無事にお開きとなったのです。



 (あ!さっきのお菓子発見!)
 コンビニのお菓子売り場にて、ナナは内面でテンションが上がった。
 やはりポッキーは、美味しかったようだ。

 おまけに本日は11月11日ですので、ポッキーのコーナーは可愛いポップやなんかで飾り付けられていたのです。



 (わぁ!期間限定まであった!)
 両手にポッキーを持ち、見比べていたナナさんは、

 ひょいっ

 後ろから、王道のほうのポッキーを取り上げられた。



 (…………あれ?)
 ナナがキョトンとしているうちに、

 ひょいっ

 期間限定のほうも、取り上げられちゃいました。



 ナナは急いで振り向き、見ると、薔が下げているカートの中に両方仲良く入っておった。




 (おわぁぁぁああ!?)




 「か、買ってくださるんですかぁ!?」
 「他に欲しいモンはあるか?」

 すぐさま駆け寄ってきたナナの手を、引くようにして薔は歩いていった。








 (またこないだのすごいイケメンきたあ!)
 店員のお姉ちゃんは、とりあえず赤いほっぺをつねってみた。


 「えーと、あたためはない!」
 「あ?」

 二度目のミス防止のため、お姉ちゃんは確認してからレジ打ちを始めました。




 「………………、」

 このとき、ナナは無言で、

 “アルバイト急募!”

 という貼り紙を見ていた。






 「なにしてんだ?行くぞ、」
 「あっ、はい!」

 そして、ふたりは手を繋いで、コンビニを後にしたんだとさ。






 「うらやま…」
 「はやくレジ打ってくださいよ!」

 うっとり見送るお姉ちゃんの前には、既に何人か並んでおった。

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