※※第80話:Make Love(&Feel…).28







 「姉ちゃん、部活に行くならおれも行くーっ!」
 「ダメに決まってるでしょうぅ?」
 玄関にて、だだをこねる司をニコニコとこけしちゃんがなだめておった。

 実はこけしちゃんは、これから部活動ではなくて、2日連続のデートなんです!



 「えーっ、だっておれ、ただひとりの女に出会いたいんだもんーっ!」
 「なんですってぇぇ?」

 これには聞き捨てならなかったこけしちゃんは、こころで色んな涙を流すまえに、

 「司はぁ、お姉ちゃぁんをぉ、味方につけたくないのぉぉ?」

 と、実ににっこり尋ねてみました。


 「おれ、ネコになるのお?」
 「あぁぁ、司はぁ、そっちがいいのねぇぇ?」

 なんともまあ、仲むつまじい姉弟だ。




 そのとき、

 「司ぁ、もうすぐマスクァレイジャー始まるよぉぉ?」

 リビングから、母がタイミング良く報告をしてきたのです。


 「マスカレイジャーだあ!」
 瞳を輝かせた司はすぐさま、リビングへと駆けて行きました。




 「司がヒーローオタクでぇ、ほんと助かったのぉぉ。」
 マスクァレイジャーに早くも救われたこけしちゃんは、ルンルンとお出掛けしていきましたとさ。


 うん、あのくらいの年頃だと、たいていの男の子はヒーロー大好きだけどね!










 「あぁぁ、イケメンはぁ、テレビの中だと心臓長持ちするねぇ。城ヶ早(じょうがばや)さまぁ。」
 「母ちゃん、ちょっとうるさいよお?」

 テレビに見入る、母と息子。


 「母さぁん、テレビの外でイケメンを見たのかぁぁ?」
 なんだかんだで父は、その点についてが気になってしまった。



 「ちょぉっとぉ、恋愛シュミレーションゲームのひとをねぇ。」
 「まぁさぁかぁぁ、更年期障害かぁぁ?」
 「父ちゃん母ちゃん、うるさいよお?」



 この家族にして、こけしちゃんあり!

 なのかもしれない。













 “お前、見かけねぇ顔だな、”

 塀伝いにゲイちゃんは、白い雌猫を発見していた。


 “あら、素敵なおかた、”

 白猫ちゃんは、恋に落ちた。


 「ニャ〜、」






 こけしちゃんには、内緒にしておこう。

 ゲイちゃんはノンケだった!

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