※※第79話:Make Love(+Make Love!).1






 手を引かれるようにして、ナナは薔とバスルームに向かった。





 「服は脱ぐな、そのまま入れ。」
 「えええ!?」
 こんなことを命じられ、ナナはびっくり仰天ですが、

 「入ってからでも、脱げんだろ?」

 よくよく考えてみるとその通りでもありましたので、素直に従ったんです。









 バスルームには、程よく暖房を効かせた。

 照明は点けずに、ふたりが入浴の際に何度か使ったことのある、アロマキャンドルをいくつか灯し。



 「おおおっ…!これだけだとまた、キレイですね!」
 バスルームにはほんのり甘い匂いが漂って、幻想的な灯りを見つめていたナナは、

 サラッ…

 後ろから、髪を撫でられた。




 再びのドキッ、に、ナナは言葉を失って、

 キュッ

 右手に右手が重なって、ゆびを絡められた。




 曇りなき鏡の前、互いの姿は窺うことができて、薔はナナの髪をゆびに絡め、持ち上げてくちづける。


 ツ―――…

 右手は鏡に当てられ、しなやかなゆびがゆびのあいだを撫でてゆくので、

 「あ…の…、」

 ナナはふるえるくちびるを、おもむろに開いたのだ。





 スッ―――――…

 次に言葉が出ることはなく、ナナのくちびるには薔の右手の人差し指が当てられていた。



 「ナナ、」

 左の耳元、囁きは甘く。

 「言葉無しでも、感じあおうか、伝えたいことは鏡に映せ…」






 言われた通り、ナナが無言になると、

 クスッ

 と笑ってから、

 ちゅっ…

 薔は後ろから、耳や首筋へとキスを始めた。



 「はぁ……」

 熱い吐息が肌にかかる。

 「ん…っ、」

 それは、言葉以外なら発してもよいと言う、合図のようで。




 くいっ

 プリンが僅かに付いていた服を、薔は裾からまくり上げると、


 バサッ――――…


 脱がしてしまった。



 乱れた髪は撫でるようにして、いったん整えられてゆく。


 ちゅ

 「あ…っ、」

 肩にもキスをされ、

 プツ…

 ブラのホックは外された。



 ゆっくり腕を撫で落ち、ブラもタイルの床へと身を潜めた。




 くにゅっ

 胸を揉まれながら、

 ちゅっ、ちゅ…

 色んなところへキスをされてゆく。



 「はぁ…っ、はぁ…っ、」

 バスルームには、吐息がエロティックに響く。


 鏡には、愛撫されているナナの姿が、焔のように映し出され、

 ちゅ…っ

 「ぁ…っ、あ…」

 微かにふるえるゆびさきに、そっとくちづけてから、

 ジィ――――…

 薔は彼女のスカートの、ジッパーを下ろしていった。

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