※※第79話:Make Love(+Make Love!).1







 ギッ…

 ベッドはかなり軋みまして、こけしちゃんと醐留権は既にけっこう脱いでおりました。


 「あぁぁ、」
 こけしちゃんは、とってもうっとりしながら、

 「いつもねぇ、男の裸は漫画で見てるんだけどぉ、本物はやっぱりぃ、違うのねぇぇ。」

 と、言ったのですな。



 「うんぅ、これがぶつかり合ってるのねぇぇ、ロマンチックぅぅ。」
 あいも変わらず、うっとりんこのこけしちゃんに、

 「ゆ、悠香、しばしそれから、離れようか、」
 ちょい震えている醐留権は、提案しました。




 「あぁぁ、ごめんなさいぃ、」
 ばつが悪そうに、頬を赤らめたこけしちゃんは、

 ちゅ

 肩やなんかにキスをさせながら、そっと横たえられた。



 プッ…

 そしてとうとう、背中に片手がまわされ、ブラのホックまで外されてしまい、

 ツ―――…

 ゆっくり、腕を撫でるように、醐留権は彼女の肌を露わにしていった。





 「ちっちゃいからぁぁ、恥ずかしいのぉ…」
 上は全部脱がされてしまいましたが、こけしちゃんは胸を両手で隠しております。

 「そんなことをされると、余計に見たくなるんだが、」
 笑った醐留権は、

 「残念なことに、ここからは眼鏡が非常に邪魔だな、」

 と言って、トレードマークの眼鏡を外すとベッドサイドに置いたのです。

 「悠香、私は眼鏡がないと、あまりよく見えないんだ。だから、恥ずかしがらずに見せてごらん。」







 「ほんとぉにぃぃ?」
 おもむろにこけしちゃんは、両手をどかして、

 「まぁ、次からはコンタクトにさせてもらうが、」

 フッと微笑むと、

 ツッ…

 醐留権はそのやわらかな肌に、ゆびを這わした。

















 ――――――――…

 「うわぁ、夕日がキレイですねぇ、」
 「そうだな、」

 本日の活動も無事に終え、ナナと薔と、司も一緒に帰路へと就いておりました。


 「……………、」
 なぜだか真ん中を陣取っている司は、やけに黙り込んでいます。




 「なんでお前はずっと、黙ってんだ?」
 繋いでいる手をちょっと強く引っ張って、薔が問いかけると、

 「あのねぇ、おれねぇ、」

 俯きがちに、司は話し始めた。

 「薔兄ちゃんみたいにねぇ、誰かひとりを守りたくなったあ。」






 「ふーん、」
 前を向いて歩く薔は、微かに笑っておりまして、

 (やっぱりこけしちゃんの弟さん、ものすごくいい子!)
 ナナはホロリとしています。



 「おれにも見つかるかなぁ?」
 夕日のせいか、ほっぺたを赤く染めた司が見上げると、

 「それはお前次第だろ、」
 その夕日を背にして、薔は返した。

 「見つけることだけ考えてっと、何にも見つけらんねーぞ?」






 「うんっ!」
 司はぴょんと跳ねて、答えた。

 こけしお姉さんは色んな涙を、流すことでしょう、こころで。






 「ねぇ、おれ腹減ったあ、ナナ姉ちゃん、何か作ってぇ?」
 「えっ?えっと、それはあの…」
 ナナが口ごもっておりますと、

 ぎゅむっ

 しゃがんだ薔が、片手で司の頬を挟み込んだ。



 「こいつがお前に、手料理披露するとでも思ってんのか?俺ので我慢しろ。」
 「ふぁひっ、ふぉふぇっふゃふゃっ、」




 (なんだか複雑でもあるんですけど、どうしましょう?かわいいんですけど、)
 夕日のせいでなく、頬を赤らめる、ナナ。





 帰り道はこんな風に、のほほんとしておりました。



 一番頬を赤らめたいのは、夕日だったのかもしれない。

 なんてね!

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