※※第79話:Make Love(+Make Love!).1
「………………、」
ベンツの車内にて、こけしちゃんと醐留権はかなり無言だった。
バックで音楽は、掛かっておりましたが。
そして、ふたりは先生と生徒という間柄でございますので、辿り着いた場所は、
ラブホテルではなく、高級ホテルでした。
「……………、」
あまりの凄さにこけしちゃんは、言葉を失い見上げてみた。
ベンツは正面玄関に横付けされ、ドアマンの案内とともにふたりは降り立ちました。
どうやら、ここは醐留権家のグループが運営するホテルのようで、ベンツはそのままホテルの者へと任せちゃったんです。
フロントへと向かいながら、こけしちゃんは“ドレスのほうが良かったかもぉ”とか思っておりました。
おまけに支配人まで出てきちゃいまして、やたらかしこまるその人物と醐留権はいくつか会話を交わし、そのうちに案内されていたのはなんと、
最上階の部屋だった。
「どうぞ、ごゆっくり。」
支配人がドアを閉めていってしまうと、高級感漂う部屋の中ふたりっきりになっちゃいました。
「…ゾーラ先生ぇ、」
「なんだい?」
ようやく声を出せたこけしちゃんは、ちょっと頬を赤らめて振り向いた。
「あたしぃ、ただでさえすごくぅ、緊張してるのにぃ、こんなスゴいとこだとぉ、さらに緊張しちゃうのぉぉ。」
と。
「ここなら誰の邪魔も、入らないと言うのに?」
「だってぇ…、」
醐留権(ここは要にしたほうがいいのか?)は、微かにふるえるやわらかなくちびるに、そっと触れてから、
チュ―――――…
くちづけた。
「ん………」
ディープではないのだけど、何度かそうっと、くちびるを触れ合わせる。
「はぁ……」
いったんくちびるを離し、見つめ合ってから、
「先にシャワー浴びたほうがぁ、いいのぉぉ?」
もじもじと、こけしちゃんは尋ねたのですな。
「それなら心配いらない、桜葉からはすごく、甘い匂いがしているよ。」
笑いながら、醐留権は答え、
「なんかぁ、ゾーラ先生ぇ、エッチかもぉぉ。」
「あはは、今頃気づいたのかい?」
寄り添うふたりはついに、
寝室へとインしちゃった!
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