第68話:Love!(vs Evil).44







 「とにかく、そういうことだから、よく考えといて。」
 悪魔はなんだかんだで、笑いを堪えて言った。


 それに対して、

 フッ―――…

 ただ不敵に笑った薔は、言い放ったのです。

 「てめえらに俺は殺せねぇよ。だが、てめえは誰の魂も奪えねぇ。」

 と。


 「大して面白くもねぇが、やれるもんならやってみろ。もしも殺れたら、俺の魂くれてやるよ。」












 (狼男くん、なんかおれ、この子殺したくなくなってきちゃった。)
 悪魔はまたしても、ゾクゾクとしております。


 そのときでした。


 「悪霊、たいさ―――――――――――ん!!」


 いきなり教室に、ロザリオを翳したハリーが突入してきたのである。




 薔以外がギョッとしているなか、

 「地獄へ堕ちろっつってんだろ!一昨年来た場合も地獄へ堕とすぞ、針千本飲ますぞーっ!」

 やはりハリーの呪文は、セリフというか、え?指切りげんまん?と思っていると、

 「うっ…!」

 微かな呻きを上げた悪魔は、窓から飛び去った。





 「Fu〜!これはまた、強敵デース!」
 一時退散させて、汗をかくハリーは胡散臭さが元に戻った。


 「ぎゃあ!ハリーさん、びっくりしましたけどありがとうございます!」
 ナナはぺこりとあたまを下げる。



 「OH〜!いいんデスヨ〜!とてつもない霊気を感じたものデスカラ〜、急いで駆けつけましタラ〜、マサの娘さんがぜんぶの世界でいっちばん大好きなかたが、狙われておりましたモノデ〜!」
 「ぎゃああ!」
 未だに持ち出すハリーなので、ナナは恥ずかしくて堪らんのです。


 「酒くせぇな、」
 「HAHAHA〜!」

 いきなり登場したハリーとは、面識のないこけしちゃん&醐留権&羚亜は、

 この鼻おじさん、すごいんだろうけど胡散臭い、

 と思っていた。

 こけしちゃんの場合のみ、それ相応に変換してください。

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