※※第67話:Make Love!(+Fall).20






 仲良く夕食の最中。

 夕方スイーツを戴いたナナは、何かしらの危機感を感じ取っていた。


 ふにふにと、自身の腕を触ってみる。

 (あわわぁ!わたし明らかに、太ったんだよぉ!)
 そう気づくと、焦りだすのが乙女心か。
 実年齢は、あえて言わないでおこう。



 「ちょっ、ちょっといいですか?」
 「あ?」
 そんでもってナナは腰を上げて腕を伸ばすと、

 つん

 と、薔の腕を触ってみた。




 (なんですか!?この違いは――――――――っ!)


 あわわわわわ!




 …いや、ナナさん、比べる相手が違い過ぎるだろ。






 (いや、でも、しっかりした腕ですね!抱きしめられたい!あっ、でもいつもわたし、抱きしめられてるよ!きゃあ!)
 とか想いながら、ツンツンしていると、

 「おい、」

 そりゃそうであろうな、声を掛けられた。

 「なにやってんだ?おまえは、」




 (ぎゃあ――――――――――――っ!)





 「すみません!わたしの腕と比べるつもりが、逞しい腕だったもので、つい、」
 「何を比べてたか知らねーが、俺とおまえじゃ根本的なモンが違ぇだろ。」
 真っ赤で言い訳するナナと、ちょい呆れる薔。


 ナナは椅子に座ると、
 「だって、わたし、なんだか、ふにふにしてきたような気がするんです…」
 俯きがちに、腕をつまんでみた。

 「気にすることでも無えだろ。俺はおまえの触り心地が、最高に好きだぞ?」
 至って落ち着いて、薔はそう返してきた。




 キュンとしたナナの前、次に彼は視線を落とすと、

 「だからおまえ、あんま食ってねぇんだな、」

 ぽつりと言いました。





 (はうあ!かわいい!)
 ナナのこころは、ときめきに悶えております。

 そもそもナナよ、こちら全て、薔が作った料理だから。



 「食べます、食べます!わたしすごく、お腹空いてたんです!」
 頬を赤くしたまんま、ナナは豪快に食べ始めた。




 「そんなに急いで食うなよ、」
 「ふぁい!」

 もはや、どっちが年上なんだかがわからない。














 ―――――――…

 楽しく夕食を終え、後片付けもイチャつきながら終わらせまして。


 みんなしてリビングで、寛いでおりました。


 時刻は22時を過ぎております。




 えーと、そろそろ(一緒に)お風呂へ入ったほうがいいのでは?とも思われるなか、

 ツ―――――…

 ふと、薔のゆびがナナの腕を伝い上がっていったのですな。



 ドキッ!

 として、動けなくなると、

 「ナナ、」

 耳元、薔は囁いた。

 「俺と、汗かくか?」

 と。




 「え?もしやこれから、走りに行くんですか?」
 目をぱちくりさせたナナに向かって、

 「なに言ってんだ?」

 薔は更なる囁きを、落としたのでした。


 「俺とおまえで汗かく、つったら、セックスに決まってんだろ?」

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