※※第61話:Make Love(ClimaxU).15






 ちゅ…

 ナナが傷口に、キスをすると、

 「あ……っ、」
 やけに色っぽい声で、薔はからだを反らした。



 そうっと舌を当てて、甘美な血の味を確かめる。


 「ぁ……あっ、」
 薔は時々ぴくんとふるえていたが、ナナへとしがみついた。





 「はぁっ、はぁっ、ッあ…っ、」
 傷を一所懸命に舐めているナナなのですが、ひどく耳元で薔が吐息や声を漏らしていることもあり、

 「あの…、痛いですか?」

 一度くちびるを離して、尋ねてみました。



 「違ぇよ……」
 息を上げながら、熱のある視線で薔は応えた。

 「おまえの舌に…感じてんだよ……」





 (ぎゃあ!なんというお色気!)
 とか、ナナが大興奮していると、

 「まだ消えてねぇぞ……」

 すごく近づいて、薔は囁くのだ。



 「あ、はい………」
 ナナは再び、傷を癒やしにかかった。








 「…っ、あ……っ、」
 ずっと薔が、耳元で息や声を上げているため、ナナの下半身は否応なしにウズウズしてしまう。


 そんななか、

 カプ――…

 ナナは肩を甘噛みされた。



 「ひゃあ…っ、」
 思わずビクッとして、からだを離す、ナナ。


 「なにをなさってるんですかぁ…っ!?」
 真っ赤になってあたふたすると、

 「噛んだ。」

 至って落ち着いて、薔は見つめ返した。


 ……えええ!?


 「かっ、噛んだって…っ、」
 「俺だっておまえの肩、噛んだり舐めたりしてぇんだよ。」

 …えええええ!?




 「はやくつづけろよ、次は舐めてやるから。」



 ぎゃあ――――――――――――っ!!






 結局、つづけたのですがね。


 やっぱり肩は、舐められちゃったのですな。



 「ん…っ、ふぅ……っ、」
 もはや色んな面で、ナナさんが限界寸前である。



 「はぁ―――――――――…」

 すると突然肩から離れたくちびるが、耳元まで伝っていって、


 「ナナ………」


 耳にくちびるを少し当てると、薔は囁いたのでした。


 「愛してるよ…………」

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