※※第59話:Make Love(&Deep Red).14
ナナが腫れた目で登校すると、学校の雰囲気は明らかに異様だった。
とてつもなく嫌な予感に襲われ、
ダッ――――――…
猛スピードでナナは、走り出した。
どうやら、一階の窓ガラスが、何枚か割られたようである。
それ以上に、皆を震撼させたのは、
1年5組の床に残された、いくつかの血痕だった。
職員室には、
“警察に通報したら、生徒を皆殺しにする”
というメモが残されており、教師たちは頭を抱えている。
走って走って、
「はっ……」
やがて教室に辿り着いた、ナナには、痛いほどによくわかった。
そこに落ちていたのは、紛れもない、薔の血でした。
「うわあぁぁぁぁぁあ―――――――――――っっ!!!!」
抑えることなど到底できず、ナナは悲痛な泣き叫びを上げる。
教室に集まっていた周りはギョッとして、彼女を見た。
「薔っ……っ!!」
口元を両手で覆い、その名を呼びながら、泣きじゃくるナナ。
床にはこんなにも、血の痕が残っているというのに、
薔の姿はどこにも、見つけることができなかった。
…――Has he died?
[ 144/543 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る