闇より深い、愛で。






 「ん……っ、あ………」
 そのまま咲は、後ろに倒れようとしたのだが、

 「危ないっ!」
 漣が急いで手を伸ばし、両手で彼を支えた。
 濡れているため、控えめではあったが力強く。


 ファ―――――…

 はずみで、咲のシャツは滑らかに脱げて舞い落ちた。



 漣は咲を、そうっと大切に、ベッドへと横たえる。

 「はぁ…………はぁ…………」
 咲は火照り、瞳を閉じて熱い息を続けている。




 パサッ――――――…

 漣は、シャツを脱ぎ捨てた。




 カチャ…

 ベルトが外されてゆく光景を、咲はうっとりと眺めている。


 やがて漣が纏っていたものは、すべて床に姿を潜めた。





 ギシッ

 ベッドのうえ、咲にまたがった漣は、覗き込むように見つめる。
 咲は両手を伸ばし、漣の頬を包み込むと、ゆっくり近づけてゆく。


 そうっと、音も立てず、ふたりのくちびるは重なった。

 何度か音のないキスを交わしたが、次第に吸いつき音を立ててゆく。

 「ん……、ん………っ、」
 舌が滑らかに絡まって、口を動かせば絶妙なタイミングで這い入って、舐めまわして、カラダをくっつけ合う。



 「はぁ………っ、」
 いったん離したが、

 ぐいっ

 咲がつよく漣を引き寄せたので、更に濃厚なキスは続く。
 その間も、既に硬くなった互いのが、熱く擦れ合っていた。



 チュプ―――…

 濡れたくちびるをまた離すと、

 「あ………っ、」
 微かな声を上げた咲の顎から首筋へと、漣は舌を這わせていった。


 「ああぁ…………」
 カラダを反らし、咲は細いあしの先でシーツを波打たせる。

 ちゅ…っ、ちゅうっ、

 たどり着いた胸元で、手も使って弄ったりしながら、漣は乳首に何度もキスを落とし、吸いつき、舌で遊ばせる。

 「あ…っ、あんっ、ソコばっか…、ダメ…っ、…あぁんっ、」
 ふるえる咲は枕を両手で掴んでおり、乱れた髪が汗で濡れて、煌めく。

 漣は愛撫と共に、くちびるを下へと落としていった。






 「もうこんなになって…、先っぽから濡れてきてるよ?」
 やさしく触れながら、漣は告げた。

 「ばかっ、言うな…っ、」
 すこし咲はカラダを起こしたのだが、

 「ん…………」

 手でそっと支え、漣がキスをし始めたので、

 「あ…………っ、」

 ビクンッと反って、再び枕にあたまをもたせた。


 「はぁ…っ、ぁっ、あっ、」
 声を上げ続ける咲のアソコを、漣は少しずつ咥え込んでゆく。

 「あぁ…………っ!」
 汗が伝うカラダを、艶めかしく捩る、咲。

 「ん…………」
 漣は手でやさしく撫でたりしながら、口では吸い上げるように唾液も使って扱く。



 「はぁっ、はぁっ、漣…っ、」
 切なげに名前を呼んで、咲はゆびを漣の髪に柔らかく絡めると、

 「ダメ…、でる……っ、」

 それは跳ね上がるほどに、ふるえたのだった。


 「ああぁ―――――――…っ!」



 口内に放たれた漣は、すべて嚥下した。

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