闇より深い、愛で。







 「どういう、ことですか?」

 そして漣は、門前払いを受けていた。


 「あんたさぁ、顧客データが全部デタラメじゃん?そんないい加減なヤツ、こんなとこくんなよ。帰れ。」
 支配人は偉そうに言うと、入り口のドアを閉めた。




 「僕は…っ!僕は…、」
 ドアに拳を当て、苦しそうに息を吐く、漣。



 そのときだった。

 漣の目の前に、一枚の紙切れが舞い降りたのだ。

 まるで、雪のように。




 「―――――――――…」
 おもむろに拾い上げてみると、そこにはただ一言が、走り書きされていた。




 “たすけて”





 「だれ…?」
 見上げた漣の瞳には、聳え立つ建物しか映らない。
 開いている窓など、ひとつもない。

 仄暗い寒空からは、本当に雪が降り出しそうで。




 「…使いたくなかったけど、もう、やむを得ないよ。」

 苦しそうに言った漣は、コートのポケットから携帯電話を取り出した。












 「う…っ、…ゴホッ、」
 口内に発射された精液を、むせながら咲は吐き出した。

 「あ〜あ、こぼしちゃったよ、」
 呆れたように言って、射精した男は咲の髪を掴む。

 「はぁ…っ、はぁ…っ、」
 咲は濡れたくちびるから、擦り切れた息を吐いている。


 「エロいカオだなぁ、止められてさえなかったら、殴ってやりたいとこだ。」
 男は笑うと、勢いよく手を離した。



 「や……っ、あ………」
 そのまま咲は、後ろから挿れている男へともたれかかる。
 彼のを咥えている男は激しく口で扱きながら、伸ばした両手で乳首を痛々しく弄る。


 「やめ……、痛っ……」
 せきをきったように、咲の目からは涙が溢れ出して、


 「やだあぁぁ……っ!」


 声の限りに彼は叫んだのだが、男達は誰一人、止めようとはしなかった。

[ 27/69 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧へ戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る