闇より深い、愛で。







 ドサッ――――…

 乱れきったベッドの上へと、並んで倒れ込むふたり。
 抜かれた咲のソコからは漣の精液が滴り、痩せた下腹部にも自身のが迸っている。


 「はあっ、はあっ、」
 互いに荒々しく、呼吸を続けていた。


 「漣……」
 ふっと、咲がその名を呼んで、
 「なに…?」
 おぼろげな漣が、返すと、


 「おまえとのセックスが、一番イイよ…、こんな風に抱いてくれるヤツ、今まで…一人もいなかったから、な……」


 見つめながら、微笑んで、咲は告げた。



 「咲っ!」
 嬉しさのあまり泣きそうになって、起き上がった漣は、

 ちゅくっ

 咲を抱きしめ、熱く口づけた。


 「ん……っ、」
 キスに応えた咲も、漣の項に華奢な両腕をまわす。


 ちゅっ、ちゅ…

 何度もキスを交わしていると、

 ツッ―――――…

 漣は再び、咲の胸元へと手を這わせていった。


 「ん………?」
 そうっと両胸を揉み出され、咲はくちびるを離す。

 「おまえ、なにやっ…、ぁ…っん、」
 乳首を擦られた咲が、ビクッとすると、
 「咲、もう一回、シよ…?」
 甘えた声で、漣は迫った。


 「ん…っ、漣…、シてやるから、すこし、離れろ…っ、」
 この言葉で、何事かと思った漣は、言われた通りに少し離れて咲を見る。



 スゥ――――――…

 彼の目の前で、細長いあしをかなり開くと、既に硬くなっていた性器に右手を当て、咲は求めた。


 「フェラしてほしい……」


 と。




 「いいの…?」
 興奮気味の漣が聞き返し、
 「いいに決まってんだろ?はやく舐めて、咥えろ。」
 咲が妖しく答えると、

 ゴク…

 息をのんだ漣は、かがみ込んだ。



 チュ―――…

 まずはくちびると舌で、やさしく漣が触れて、

 「あ………っん、」

 ぴくっとふるえた咲は、ほとんど脱げかけていたシャツを左手で掴み、自身の口元に当てた。
 右手では、漣の髪を撫でている。


 漣は伸ばした舌で、ちろちろと舐めてゆき、

 「ふぅ…っ、ンっ…、んぅ…っん、」

 甘い息を鼻の奥から漏らす咲は、時々ぶるっとふるえ、ゆびさきをビクつかせる。



 クプ――――…

 そしてゆっくりと、漣は口に咥えていった。


 「んん―――――――…っ!」
 堪えきれない息を零してから、両手を漣のあたまに当てた、咲。

 「んむ……っ、」
 漣は瞳を閉じ、ヌルヌルとくちびるを上下に動かす。


 「あっ、ゃン、あ…っ、ああっ!」
 ほぼ全裸になった咲は、喘ぎと共に漣の髪を乱してゆく。






 「はぁ…っ、あ…ぁっ、れ…ん、漣っ、んっ…、漣………」
 まるで譫言みたいに、切なく甘い声で、咲は漣の名を何度も呼んで。


 「ん………」
 此処で他の男達に犯され続ける彼を想うと、かなしいほどに胸が締め付けられ、愛おしいソレを咥え込みながら漣はいつしか止め処ない涙を流していた。

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