魅惑と誘惑の蜜








 学校ではやはり、和気藹々と色々ありましたが、

 帰宅、です!





 “今日はお出迎えは、なしといきましょ。”
 じつは花子はとっても、勘が良かったようで(じつは、じゃないかもう)。















 (あああ、どうしよう…、もう言ってしまいそう…)
 今度こそじつは、ナナには秘めていたある想いがございまして、

 「どーした?おまえ、やけに大人しいな、」

 そのことにちゃんと気づいていた薔が、歩み寄ってきた。




 近づく甘い匂いに、早くもすべてはやられてしまいそう。


 そして、

 「ナナ?」

 彼女の頬に、薔が触れようとした瞬間、

 「あのっ!薔っ!」
 「あ?」

 勢いよく顔を上げたナナさんは、思いきってけっこう大声で言っちゃったのだ。


 「一人エッチとやらをしているところを、また、見せてくださいっ!」









 ……それずっと秘めてたんか〜い!













 「………………、」
 一瞬、黙り込んだ薔だったが、

 「ふーん、」

 ギッ…

 威風堂々とソファへふんぞり返ると、それは不敵な微笑みで彼女を引き寄せた。

 「なら、おまえが下拵えしろよ。」
















 カチャ――――…

 それはそれはドキドキしながら、ベルトを外してゆく。


 「欲しくても慌てんな、手ぇ震えてんじゃねぇか、」
 「こっ、これはその、心臓が、うるさくてですね、」
 真っ赤のナナは、手を動かしていると、

 プッ…

 親指で、くちびるをそっと弾かれた。

 「だったら、口も使え。」







 ゴク…

 息を呑んだナナは、

 はむっ…

 引き手を咥える。



 「なんだ、口も震えてんのか、」
 薔はフッと、笑って、

 ジーッ…

 「ん……」

 それを下ろしてゆくナナの髪を、ふわりと撫でたのだった。











 ――――――…

 「あのぅ…、」
 「ん?」
 露にしてしまったナナは、火照った顔で控えめに、告げたのです。

 「もう、おっきくないですか…?」

 ってね。






 「それはおまえが股の間で、物欲しそうな顔してるからだよ…」
 囁くように、薔は彼女の頬に触れると、

 「なのにここで止めちまっても、いいんだな?」

 有無を言わせぬ雰囲気で、見下ろしてきた。







 「や…っ、舐め…ます…」
 素直に告げたナナは、うっとりと、

 ちゅっ…

 ソコへキスを落としました。

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