魅惑と誘惑の蜜








 「ねぇねぇ、慎くんはさあ、どのポストンジャーが一番かっこいいと思う?」
 慎邸にて、司ははしゃぎながらポストンジャーブックを慎と一緒に鑑賞して(いるつもりで)おりました。

 (くっそ〜!司め!おれの気も知らないで、甘いにおいただよわせやがって!)
 近くに寄られている慎は、ブックの内容がちっとも頭に入ってこない。





 「慎くん、聞いてる?」
 「だああ!聞いてねえよ!」
 そしてついに、爆発しちゃった!


 「なにそれ!?ひどい!」
 「どっちがだよ!」

 バタン

 そんでもって勢いよく、ブックを閉じさせちゃったのである。




 「あーっ!もうっ、なにするんだよ!」
 司は憤慨して、再び開こうとしたのだけど、

 「司!」

 がしぃ!

 親友かと思いきや嫁の肩を掴み、慎はついに告げたのだった。

 「ちゅう、してもいいか…?」










 「…………え!?」

 司は真っ赤になって、本を強く抱きしめました。

 「なんだよーっ!慎くんもポストンジャーが大好きなんじゃんかーっ!」







 「え?いやそうじゃなくて、おれはおま」
 「そのきもちわからなくもないけど、これはおれのポストンジャーだからーっ!」


 ぶちゅうっ


 その上なんと、目の前で、司はブックのポストンジャーに熱烈なくちづけまでしちゃったのだ。










 ……こんの、にぶちんがっ…


 ふらぁっ…




 「慎くーん!?」





 いろんな意味で、慎ノックダウン!







 「ごめんね!おれが見せつけちゃったからあ!ポストンジャーはみんなのヒーローなのに!」
 「みんなのヒーローなら、おれも、救え…」
 「大丈夫う!?」





 …………ファイトだ!慎くん!


 まぁ、君にはこけしお姉さんという、ポストンジャーよりきっと頼もしい味方がいるから大丈夫さ。

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