恋して愛してバレンタイン








 くちゅっ…

 舌がなめらかに、滑り込む。


 「ん……っ、」
 ナナはうっとりと、甘い声を漏らす。





 ぎゅっ…

 砕けんばかりの彼女の腰を、つよく抱くと、

 「おまえは口ん中も、熱くてとろけそうだな…」

 舌を抜き、薔はフッと告げた。




 「ん…っ、薔…だってっ、」
 ナナはかなり火照って、ぽーっと彼を見つめる。

 「そうか、俺たちの舌が、絡まるとこうなるのか…」
 ちょっと薔は笑うと、再び舌を入れてきた。

 ちゅ…ぷっ…





 「ん…っ、ふ、……っん、」

 互いの唾液は糸を引き、艶かしく動くくちびるは濡れて光を帯びる。

 くちゅ…くちゅっ…

 くちびるをくっつけたまんま、何度もまわすように舌を重ね、

 「ぁ……んっ、」

 ぎゅっ…

 感じて仕方ないナナは、薔へとしがみついた。





 「は…っ、ん…っ、」

 舌と共に、うっすらと甘く視線も絡めて。

 じわり…

 下半身は、疼く一方。




 「ん…んっ、ん――――…」

 そしてナナはとうとう、

 「んん…っ!」

 イけてしまった。






 「は……ぁっ、ん、」

 くちびるがゆっくり離され、唾液はとろりと細く垂れる。


 「よくキスだけでイけんな…」
 笑って、薔は彼女の頬を両手でやさしく撫でて、
 「だって、気持ち…い……」
 ウルウルとナナは、彼を見つめ返した。




 「これからもっと、気持ちよくなんだろ?」
 「ん…っ、ん……」
 汗ばむ額にも、キスをして、

 「おまえの全部が甘ぇのを、確かめてみてもいいか?」

 そのまま肌のうえでくちびるを動かし、薔はナナを誘った。








 「はい……」
 そう応えるより他に、道はない。

 「汗も、甘ぇな、」
 くちづけていたおでこにも、舌を這わせて、

 「だからおまえは、病み付きになる…」

 すぐそばのソファへと、薔はナナを乗せたのだった。


















 ――――――――…

 コンドームは無事、装着されました。





 「美味しそうなぁ、チョコバナナぁぁ、」
 「その表現は、なかなかだね、」
 BLにあったのかな?は野暮なんで置いときまして、

 チュッ…

 「ん…ぅっ、」

 こけしちゃんはソコにまず、キスをしていったのでした。

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