淫らな悪戯を召し上がれ








 どふぅっ…!

 ナナ誕特設会場という名だがいつもと何ら変わりはない2ー5の教室にて、ノートをしかと手にしたまんまナナはついにぶっ倒れた。
 もうちょっと読めばさらにイイトコロとなるはずだったのだが、萌えはいったん限界に達したようだ。

 「こっ……こけしちゃんさま……こちらは……素晴らしすぎるよ……」
 息を乱しているナナは、親友のノートを絶賛する。
 本編では5月下旬のためになぜハロウィンなのかについてを、尋ねる余裕などナナには毛頭残されていなかった。

 ゆびさきまで熱くなっているために、ノートは熱い、中身は読み進めればもっと熱くなるみたいですが。


 「大丈夫ぅぅ?ナナちゃぁん、」
 起き上がらせるべく、こけしちゃんはナナへと駆け寄る。
 腐女子隊の隊員たちはこぞって、次は我にとノートを狙い始める。

 「わ…っ、わたしも……やらせていただきたい……」
 「つまりはぁぁ、ナナちゃぁんも薔くぅんにぃ、クリームを塗りたくりたいのねぇぇ?」
 「どひゃあああだよ、そうなんだよ、もうっ……」
 支えて起こしてもらいながら、ナナはさりげなくもなく自分の願望を口にしていた。
 今回はクリーム使用か……と、隊員はうっとりし始める。


 このとき、ナナは膨れ上がる願望に自分でも止めることができず、

 もわああん……

 脳内で自分が彼氏にクリームを塗りたくってついでに舐めている様を、想像(すなわち妄想)してしまった。
 BLテイストは脳内で尾を引いていたために、想像(すなわち妄想)では彼氏はじつに受け受けしく喘いでおりました。




 「ぎゃああああああああああ!」
 あまりにも色っぽすぎたために、ナナは再びぶっ倒れてしまった模様だ。

 ばたーん!

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