書架に隠れて戯れる







 想像していた以上に、私好みの文体だった。
 美しい下劣さを持って、情事のイメージが脳内で広がる。
 高揚によりすでに秘部はじんじんと疼いて、これは是が非でも借りようと思い立った。

 憧れの彼を眺めることもできたし、今日は帰ってじっくり自慰に耽ろうと、思っていたのに。


 突然、それは襲いかかった。

 するり、と後ろから誰かに、お尻を撫でられたのだ。



 ビクッ……となった私は、本を手にしたまま動けなくなる。
 私に触れた誰かはお構いなしに、スカートをたくし上げてくる。

 (えっ…?え…っ?)
 今、そこを触られてしまったら非常に困ると思っても、助けを求めることはできずにいる。
 図書館では静かにしているのが原則だ。

 露にされた太股を、ゆっくりとゆびが這い上がる。
 湿ったパンツの近くまで這い上がり、ゆびは柔肌に食い込む。

 (うそ…?図書館で……痴漢……?)
 私は萎縮をしてしまって、逃げることすらできずにいた。
 誰かは脚を撫でながら、胸もさすり始める。

 (やだ…っ、どうしよう……)
 覚束ない持ち方で本を手にしたまま、私は躰をまさぐられた。
 胸はムニュムニュと服の上から揉まれだし、心臓が高鳴る。
 私が官能小説を読んで感じていたところを、狙っていたのだろうか。

 クシュクシュッ――…

 誰かはパンツを鷲掴みにしたあと、割れ目を開いて撫でた。
 まるで、濡れていることを見透かしていたかのように。


「……っ」
 声を我慢した私は本を持っていられなくなり、棚に戻してそこに両手を突いた。
 服の中に入り来た手はブラジャー越しに乳房を揉みしだき、ジュクリと蜜を染み込ませてゆびがラビアに食い込む。

 そして、ぐしょぐしょになったパンツを掴んで引っ張られた。
 ぐいと秘裂が持ち上げられて、絶妙な力加減に堪らなくなる。

「ん…っ!」
 体勢を崩しそうになった私は達してしまい、体重を預けた弾みでラビアはさらに拡げられる。
 パンツを大胆にずらし、クリトリスをこねたゆびをいきなり膣に入れられた。

 ヌグッ…グチュグチュッ…

「っっ……ん、……っ」
 躰をふるわせる私は片手を口許に当てて、声を押し殺す。
 いくらひとけがないとは言え、誰にも見つからない可能性がないわけではなく危ない羞恥が迫り来た。

 こんなところを憧れの彼に見られてしまったら……二度とここには顔を出せなくなってしまう。

[ 76/92 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る