邪魔な焦がれ人
ズプッ…!ズッ…ズプッ――…!
「あっあん…っ、あ…っ、は…っ、あっっ」
ソファのうえで四つん這いにさせられた私は、生で挿入をされ、激しく突かれていた。子宮までどんどん熱くなる、初めて避妊をせずに繋がったひとが、恋人でないことにひどく悲嘆していた。
けれどからだじゅうは快楽に捕らわれている、数えきれないほど達してしまい、肌は汗だくで、私はソファをびしょびしょにさせて善がる。
男にたくさんのキスマークをつけられた躰がまたびくりと跳ね上がる、わざとつけたのだろうその痕を、彼に見られてしまったらどうしようという考えを、今の私は抱くことができない。
「俺としてもイキまくってたって、あいつに教えてやろうかな……」
捩じ込ませた男は不敵に笑い、彼がいつも感じている感覚を味わうかのように、奥に当てたまま中をかき回した。
グチグチッ…!グチュッ…!
「や…っ!?ああんっっ!」
またしても絶頂を得た私は全身の力が一気に抜けて、くらくらするあたまを肘掛けにもたせた。
気持ちがいい、とにかく気持ちがよすぎて、何も考えられない。
男は猛々しく立派な陽物を持ち合わせていた、細いと思っていたけれど脱ぐと意外にも逞しく、引き締まっている躰はどこもかしこも美しかった。
「見てらんねぇくらいに下品だね……こんなのが好きなあいつはどうかしてんだよ」
私を非難する男はお構いなしに腰を動かし、壊そうとしているのだとしか思えなかった。彼と私の関係も、何もかもを。
…――あのなめらかな肌にしなだれかかりたいと、私の本能は願ってしまっている。
彼と並んで座ることもあるソファで、別の男に犯されつづける。しかも私はひっきりなしに、最高に悦んでいた、気持ちはかけらもないとわかっている行為にここまで陶酔するとは思ってもみなかった。本来の自分を暴かれているようで、恐ろしくもなる。
そのことがまた、快楽を助長する。
「あっ…あっあっ、中はっ…ダメ…っ!やああ…っ!」
私をとにかくイかせまくった男はヴァギナで鼓動を高めて、中に出そうとした。抵抗をしてみるものの、どれも空しく、深く嵌められた雄は抜かれる気配がない。
「そのわりにはさ、締めつけてくんだけど……もしかして誰でもいいの?」
くすくすと笑って、男は射精をした。ほぼ同時に絶頂を得た私は初めて注ぎ込まれる白濁に、恍惚としている。
なぜだろうか、もっとみじめな気持ちにさせてほしくなる。
いつも淋しげな男の表情に、私は密かに触れたいと思ってしまっていた。
雨の音は届かない、交わる音しか聞こえていない。
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