※第6話:Game(+Foreplay).4




 (ううう……………。)
 こらえきれない気持ちを震わせて、ナナは薔のとなりに座った。

「さて、どこでイかせてやろーか?」
 薔は背もたれに右腕を乗せ、右足はソファのうえにあずけた状態で、ナナを見ていた。
「あのぅ、もう痛いのは嫌なんで、やめたほうがいいですよ……。」
「あ?」
 うわぁ……!!
 本当に今このひと、カオが近いよぉ!!
 それにとんでもなく、いい匂いがするよ――――っ!!


「痛てぇかどーか、確かめてみるか?」
 え?
「そんなこと、どうやっ」

 カリ――――――…

「ンあっ…………!」
 ナナは左耳を、甘噛みされた。

「なにをなさっ」
「痛かったか?」

 ……えぇえ!?

「いや、それ痛さのレベルが違いすぎるんで、よくわかりません!というかむしろ、気持ちよかったです!」
「そんなに噛まれてーのか?」

 カリッ

「っあ………………!」
 ナナはビクビクとふるえる。

「ちょっ……薔さん……そんなに噛まれたら、わたし……ヴァンパイアとしての立場がないですよぉ……………」
「なら、キスしてやる。」

 チュ―――――――…

「そう…いう…ことじゃ……はぁ……っ……ン……………」
「どーせ出すなら、もっとドエロい声を出せ。勃たせてーんだろ?」
 薔はナナの耳もとに、顔をうずめた。




 (どうしよう……。なんか座ったまま、いろんなとこにキスされて、髪を撫でられてるんだけど…………)
 かなり嬉しい状態をナナが味わっていたとき、

 スッ――――――…


 突然、薔はナナから、くちびるとゆびを離した。

 (あれ?なんだかやるせないけど、このまま終わってくれるのかな?)

 そう思ったナナのまえで、





「熱いな……」





 と呟き、薔は今日に限ってつけていた、ネクタイをほどこうとしたのだ。







 お忘れのことかもしれませんが、彼は病人です。
 病人が、こんなことしちゃってます!

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