※第6話:Game(+Foreplay).4




 ソファの場所まで運ぶと、自身はソファに座り、ナナを床にひざまづかせて、薔は言った。
「この体勢で、ヤれ。」
 …………はぃい?
「はやくしろ。」
 もはやこのときナナは翻弄されていたので(いつもだけど)、ひざまづいた状態で、紅く染まった薔のゆびを咥えた。
「………っ…………ン……………」
 なんだか訳がわからなくなるナナの顔を見た、薔が一言。


「お前はセックスの最中、そういう顔をしてんだな。」


 ………どんな顔をしてるんだ?わたし、


 パシャッ


 ……………………!?


「ぎゃあ――――――っ!!」


 ナナは驚きのあまり、後ずさる。
 薔は、ナナを携帯で、写メったのだ。



「なにをなさったんですかぁ!?」
「ハメ撮りだ。」
 ………………はめ?
「は、“はめどり”って、な」
「この言葉は、辞書から漏れている可能性があまりにも高い。よってヒントをやろう。」
 え?


「俺とお前の間でこそなし得る、偉業だ。」


 それ、本当に偉業なの!?

「結果、こいつは寸止めの効果をももたらした。」

 どわぁ―――――――っ!!
 なんだかもう、よくわからない言葉がつぎつぎと出てくるんだけど、あやしすぎて聞けないよ――――――――っっ!!


 このひとは、歩くエロ辞典なのかぁ!?


「おい、」
 ……………………は!!

「つづけるぞ。」
 ひゃぁぁああ!!
「わたしもう、お腹いっぱいであ」
「まだイってねーだろ、お前も。」
 なんか恥ずかしいコト言うの、やめて!!
「あと、ひざまづきすぎて、膝痛いです!」
「次は座ってヤる、安心しろ。」
 ……………はい?

 薔のソファには、ナナから向かって左隣に、イヤというほどスペースが空いていた。
「なにしてんだ?来い、はやく。」


 お願いだから、帰らせて―――――――っ!!




 もはや、顔真っ赤どころの話でないナナに向かって、薔は言い放った。






「これ以上焦らせば、そこで犯るがいーのか?」

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