※第48話:Love(&Destiny!).37






 その後は、広場でラブラブしていたこけしちゃん&醐留権と合流して、絶叫しなくてもいいアトラクションを回ることにした。


 写真もけっこう撮れた。




 ランチは、ちょっとオシャレなお店に入った。

 ここでは、撮った写真を振り返ったりして、かなり和んだ。





 そんでもって今、ナナとこけしちゃんはメリーゴーランドに乗っております。

 その姿を、薔と醐留権はムービーに収めたりしておりますね。





 ふと、

 「なぁ、暮中、」

 こけしちゃんを見たまんま、醐留権が薔へ声をかけた。

 「なんだ?」
 薔もナナを見たまんま、返事をする。


 「ちょっと話があるんだが、今いいかい?」
 こう尋ねた醐留権だったが、
 「俺は今、ナナに夢中なんだ。後にしてくれ。」
 まぁ、薔のことなんで、やっぱりそうきましたよ。

 「そうは言っても、暮中、君は四六時中、三咲に夢中じゃないか。」
 「それもそうだ。だが、今のあいつはおそろしく可愛いんだ。」
 この答えに、醐留権は、ちょっと笑った。





 「こけしちゃん!楽しいけど、目が回りそうだよ!?」
 「大丈夫だよぉぉ、ナナちゃぁん、あそこで薔くぅんが、ナナちゃぁんを見てるからぁ。」
 こけしちゃんがこう言ったので、それまでバランスをとることに全力だったナナは、ようやく周りを見た。


 「ゾーラ先生ぇ、」
 こけしちゃんは余裕で手を振って、醐留権も笑って手を振り返す。


 ナナもその隣の薔を見たのだが、彼が微笑みかけたので、瞬く間に真っ赤になった。



 「おい、おまえも、笑って手を振れよ。」
 「無理です!恥ずかしいです!」

 このやりとりを見ながら、こけしちゃんと醐留権は笑っていた。


 しかし、醐留権の話とは、なんだったのか?

 夜を待て!







 その前に、運命の国にて、ディナーとなりまして。

 この日の夜はじつに爽やかで、キラキラしたパレードなんかも見応えがあったんです。


 「キレイですねぇ、」
 「おまえもな。」
 明かりに照らされていたナナは、さらっと言われた薔の一言で、みるみるうちに真っ赤っか。

 「ゾーラ先生ぇ、おっきなキノコが光ってるのぉぉ。」
 「あはは。確かに。」
 こけしちゃんと醐留権は、光るキノコがツボのようだった。







 パレードも終え、みんなしてホテルへと向かいました。












 ――――――――…

 チェックインを済ませ、部屋割り的にここは、カップル同士となるべきなのだが……、


 「おい、」


 薔は言った。



 「なんで俺とあんたが、同じ部屋なんだ?部屋割り間違えたんじゃねーのか?」








 「いや、すまない。実はまだ、桜葉とはほとんどなにもしていななくてね。大切にしたいから、戸惑うんだよ。彼女があまりにも、純粋で。」
 ソファに腰掛けている醐留権は、くるしげに明かす。

 「純粋、つうのは、時として思い込みだ。不確かな概念だぞ?」
 立派に告げた薔でしたが、

 「暮中、」

 醐留権は、言った。

 「話があると、言ったはずだ。話させてくれ。」










 その頃、ナナとこけしちゃんは、

 「ナナちゃぁん、一緒にお風呂入ろうぅ?」
 「えっ!?いいの!?」
 「もちろんぅ。」

 一緒にバスタイムとなっていた。





 「ナナちゃぁんてぇ、程よく胸があるねぇぇ。いいなぁぁ。」
 「そんなことないよ!こけしちゃんだって、あるじゃん!」
 乙女たちの、裸の会話。


 「うぅんぅ。あたしねぇ、まな板だもんぅ。」
 「まな板?」


 ……………あれ?



 ナナにはほんの少し、引っかかる点があった。




 (うーん、でも、よくわからないから、大したことじゃないな、いっか!)
 しかし、こころで解決してしまい、


 「けっこう広いお風呂だね!」
 「ほんとだぁぁ。」


 とかはしゃぎながら、ふたりはバスルームに突入しちゃいました。







 隅々まで洗い終えてから、湯船に浸かった。

 「あのねぇ、ナナちゃぁん、」

 そのときこけしちゃんは、語り出した。


 「あたしねぇ、ゾーラ先生ぇとまだ、キスしかしてないのぉぉ。」

 と。




 「そうなのかぁ、」
 「ほんとはねぇ、今夜ぁ、進展あるかもと思ってたんだけどぉ。」
 醐留権よ、これは、戸惑うとか言ってる場合か?


 「そうだよね!いつの間にか醐留権先生が決めた部屋割りみたいだけど、おかしいよね!」
 ナナがそう言うと、
 「ゾーラ先生ぇ、あたしのこと、そんなに好きじゃないのかなぁぁ?」
 湯に顎まで浸かるようにして、こけしちゃんが切なげに零した。


 ………えええ!?


 「こけしちゃん!それだけは、絶対にあり得ないよ!」
 「だってぇ、あたしはもっとねぇ、色々してほしいのぉぉ。」


 ……こけしちゃん!?

 今夜はやけに、大胆だね!


 感心してしまったナナに向かって、

 「実はねぇ、あたしぃ、」

 こけしちゃんは、明かした。



 「まだ、処女なのぉ。」






 「いや、こけしちゃん、まったくもって、おかしくないよ?」
 「うんぅ、初恋がゾーラ先生ぇだからぁ、当たり前なんだけどぉ。」

 …いや、そうでなくても、年齢的におかしくないと。


 「ナナちゃぁんは、あれだよねぇ、薔くぅんとはもお、エッチしたよねぇぇ?」
 「こけしちゃん!?いや、あの、しましたけど、どうしたの!?大胆だよ!?」
 ナナは、真っ赤で仰天。


 「だってぇ、苦しいんだもんぅ。」
 膝を抱えて、うつむき加減なこけしちゃんなので、


 「よし!こけしちゃん!ここは妥当な部屋割りに変えてもらえるように、作戦を立てよう!」


 ナナは、めちゃくちゃ意気込んだ。




 「作戦ぅ?」
 「作戦とまではいかなくても、なにか考えよう!」

 ということで、ナナとこけしちゃんはお風呂を上がり、しばしの作戦会議となりました。

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