※第48話:Love(&Destiny!).37






 ベンツはまず、目的地にほぼ隣接されている、ホテルに到着した。

 チェックインの時間はまだだったので、荷物を預け、ベンツは駐車場に停めたまま、一同は歩いて目的地へと向かいました。


 幸いなことに、開国前に並ぶことができた。



 この時点でもやたら混んでいる、その目的地の名前とは!?





 デスティニーズ・ランド

 だった。



 どうやら、運命の国のようだった。




 「もしかしてこちらには、ザザえもんもいるんですか!?」
 「いねーよ。」
 とか会話しているうちに、無事、入国できちゃったんですね。



 (おぉおっ…!)
 ナナさん、初めてのデスティニーズ・ランドである。


 「すごいですね!なんですか!?ここは!」
 「詳しくは、パスポートに書いてあるぞ?」
 はしゃぐナナだが、薔は至って落ち着いてますね。

 「やっぱりぃ、夏休みだしぃ、混んでるのぉぉ。」
 「早く着いて、良かったな。」
 おっとりとだがこけしちゃんもはしゃいでおり、醐留権は真剣にパンフレットを眺めている。


 んでもって、よくよく考えてみよう!
 ものすごく混んでるんで、逆にのびのびできるんだよ!




 「ほら、行くぞ。」
 「あ、はい!」
 ナナと薔は、いつも通り手を繋いで歩き出して、

 「桜葉、私たちも行こうか。」
 「はいぃ。」
 なんとまあ、自然な感じで、こけしちゃんと醐留権も、手を繋いじゃいました!


 (こけしちゃん!良かったねぇ!)
 ナナさんはホロリとしたが、

 「おい、おまえは、前か俺を見て歩け。」
 「ぎゃあ!すみません!」
 気づいてみると、けっこう危なっかしかった。







 「わぁ!」
 やっぱりナナは、はしゃぎまくっております。

 「なんか、すんごい変わった生き物が、けっこういるんですけど!」
 「中身はそうでもねーぞ?」

 はい、こちら運命の国には、キャラクターとかもあちらこちらにいるんですよね。


 「ゾーラ先生ぇ、あたしねぇ、ナナちゃぁんと写真撮りたいのぉぉ。」
 「任せなさい。」
 とか、こけしちゃんが醐留権と計画をしていた時だった。


 運良くだか運悪くだか、目の前に、何かの物語の魔女がいたのだ。


 「あぁぁ、あの魔女と撮りたいかもぉ。」
 「では、連れて来よう。」
 こけしちゃんのご希望で、醐留権は魔女を捕まえに行き、

 「薔くぅんのナナちゃぁん、ちょっと借りますぅぅ。」
 「別にいーぞ?」
 「おおおっ!?」
 こけしちゃんはナナを、薔からお借りした。



 ほどなくして、醐留権に連れられた魔女がやってきました。





 立ち位置は、魔女が真ん中だった。

 魔女は魔女らしく振る舞っていたのだが、

 ぎゅっ

 腕を組んできているナナとこけしちゃんの肩を、強く抱いたので、

 「・・・・・・・・・・・・、」

 ふたりの美形男子に、デジカメ越しの鋭い眼差しを向けられた。


 ……ひぇえ!
 僕(魔女の中身は男性だった)がメインなんじゃ、ないの!?



 おどおどした魔女だかさんは、とりあえず離した両手をピースに変えた。







 写真は無事撮り終え、ペコペコあたまを下げる見た目魔女は、そそくさと去っていった。


 「おまえ、肩の骨は大丈夫か?」
 「はいーっ!?」
 戻ってきたナナを、心配する、薔。
 ナナは、いちおう、ヴァンパイアだけど…

 「桜葉、痛くはなかったかい?」
 「大丈夫ですぅ。」
 醐留権も心配そうに尋ね、こけしちゃんはにっこりと答えたのでした。







 で!

 面白そうなアトラクションの時間へと、突入ですわ!









 ―――――――…

 「…吐く……、」

 広場の椅子に腰掛け、ぐったりするナナ。

 かなり人気のある、いわゆる絶叫系にみんなして乗ったのだが、ナナだけが力尽きていた。


 「大丈夫か?」
 「いや、あまり大丈夫じゃ…、って、近い!おカオ!」
 こんな具合に、薔がナナを介抱しておりますので、

 あたしもああしとけば良かったぁぁ、

 と、こけしちゃんはちょっとだけ思ったのでした。



 「三咲、ほとんど叫んでいたからな。桜葉は終始、にこにこしていたが。」
 「ゾーラ先生ぇ、」
 絶叫マシン中も自分を見ていてくれたことに、大感激のこけしちゃん。


 「おまえ、すぐそこにトイレあるから、行ってこい。」
 「あ、はい…、」
 促され、トイレに向かったナナでしたが、

 (うーん、実はあのひとのおかげで吐き気おさまったんだけど、心配してくれてるから、いちおうトイレに行っておこうかな。)

 だったんです。






 やたら、広いトイレだった。


 とりあえず、鏡の前で髪を整えたりしたナナは、なんと、



 反対側の出入り口から、表に出てしまったのだ。

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