※※第43話:Make Love(&Love!).7





 ちゅうっ

 一度噛んであったので、流れ出ている血液に吸いつく、ナナ。

 「あ…………」
 薔は両手でシーツを掴んでおり、かすかな声を上げる。


 スゥ―――――…

 ゆっくり、両手を伸ばしたナナは、右手を下に、左手をTシャツのなかに忍ばせていった。


 「ん…………」
 おかしくなりそうな激情に支配されているが、手の感触でナナは確かめる。

 「…ッく、」
 歯を食いしばるように、薔はからだを反らした。


 (やっぱり、痛いのかな?)
 と想ったナナは、吸いつくちからを弱めて、手にやさしくちからを込めた。

 「あ…っ、」
 堪えきれず、声を上げ始める、薔。

 「はぁっ、…アッ、あ、ぁ…、」
 声だの音だので、ナナの感覚は狂いそうである。
 すこしずつだが流れ込む血液の快楽と、五感が刺激され過ぎて、彼女は半ば夢中になった。



 「んむぅ……っ!」
 行為は激しさを増すなか、ナナは達した。

 「んっ、ふ…」
 それでも彼女は、手を動かす。
 当たる感触は、先ほどよりも硬さを帯びている。


 「あぁ――――――…っ!」
 突然、甘い叫びを上げて、薔はぐったりしてしまった。


 「うわぁ!すみません!大丈夫ですか!?」
 必死でナナが起き上がると、傷口はなんとまあ既に消えておりました。



 「ったく、おまえは、根元を、キツく、掴むな、…っッ、」
 途切れ途切れに言いながら、熱く乱れた息をつづける薔なので、
 「いや、ほんとすみません!薔があまりにもエッチなので、夢中になっちゃいました!」
 火照り過ぎたナナは、素直に述べた。







 くちゅ、

 するといきなり、スカートのなかゆびを当てられた。

 「ひゃあぁぁ…っ!」
 ナナはビクッとして、のけぞる。

 「血だけで、ずいぶん濡れたな…」
 ゆびは下着をずらし、溢れ出ている愛液を絡めるように、膣へと這い入ってきた。

 「ちが…っ、血じゃ、なくて…っ、やッ、ア、あぁ…っ、」
 「違ぇなら、ちゃんと答えてみろ。」
 ゆびは増やされた。

 「もうっ、いじわる…っ、ぅ…、ふっ、…ンあ!」
 瞳に涙を溜めてふるえまくっているナナは、

 ドサッ―――――…

 位置を変えられ、押し倒された。



 「愛しすぎるほど、時にいじめてやりたくなるんだよ、」
 未だゆびは入れたまんま、ひどく近く、薔は告げる。
 「んん……」
 いろんな意味で、ナナは泣きそうである。



 「おまえの反応が、すげーかわいいしな、」
 と囁いて、

 チュ―――…

 薔はキスを落とした。



 「やさしくだって、してやってんだろ?そんなにやさしくされてーのか?」
 「いや、あの、」
 ナナはちょっともじもじしながら、色々振り絞ってみた。


 「いじめて、ほしいです…、薔だと、実は、まったく嫌じゃないです…、むしろ、嬉しいです…」

 とね。



 「…そう言われると、今までにねぇほど、やさしくしてやりたくなるな。」
 「うぎゃあ!ほんと、いじわるですね!」

 ときめく、ナナさん。


 クチュ――…

 ゆびは深くへと向かい、動く。

 「やっ、ン…っ、ぁ、あッ、だめっ、」
 ひどく切なげに、身を捩るナナ。

 に向かって、

 「ナナ、」

 妖しい微笑みの薔は、囁きかけたのでした。


 「もう…いいだろ?全部、脱ぐか。」

[ 483/550 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る