※※第43話:Make Love(&Love!).7





 コク…

 ソファのうえ、薔にまたがるようにして、頷くナナ。

 「ここでいーのか?」

 見上げる薔に問いかけられ、

 ナナはいったん、我に返った。


 「わぁ!すみません!つい、」
 なので、すぐさま降りようとした。


 ギュッ、

 ところが、腕を掴まれた。


 ッッ―――――…

 唖然としているナナの両腕、薔の両手がゆっくり這い上がってゆく。


 やがて、頬にたどり着いた。



 「このままキスしてやりてーが、狭ぇな、ベッド行くか?」





 「いや、でも、」
 「素直に頷け。責任持って、かわいがれよ?」

 これは、ベッドへと、及んじゃいそうですね。


 ナナに邪魔されちゃった花子ですが、お利口に尻尾を振り続けております。

 …――私はこう見えて、大人だからね♪










 ギシ…

 シーツにからだを預ける薔に、やっぱりナナはまたがっていた。

 「ん…………」
 瞳を閉じて、すこしだけ身を捩る、薔。

 (えーと、色っぽすぎるんですけど、わたしはどうしよう?見習って色っぽくなるとか、絶対に無理だよ。)
 とか、ナナが考えていると、


 スッ―――――…


 薔は、瞳を開いた。




 ドキッ!

 ナナの心臓は、跳ね上がる。


 「ナナ…、」
 そのまま薔は、先ほどみたいに両手を伝わせていって、

 「キスしたい………」

 囁いた。



 「は、はい…」
 かがみ込む、ナナ。

 ちゅっ、

 くちびるは触れ合った。

 近づきすぎた甘美な香りに、すべては包み込まれてゆく。


 「ん…っ、」
 何度かそうっと動かしてから、すこしだけ離した。


 「もっと、したい…」

 囁きの瞬間にも、熱い吐息は触れ合っている。


 「ん―――――…」

 シーツが擦れる音がして、くちびるはさらに交じり合った。
 切れるほどに激しく甘く、舌を絡めて舐め合う。




 ベッドのうえ、むさぼるキスは、濃厚なまでにとろけそう。




 そして、再びくちびるを離して、息を整えながら、

 「なぁ、ナナ、」

 妖しく微笑みかける薔は、誘惑したのでした。


 「俺とおまえでしかできねぇプレイ、してみないか?」











 「ぷれい?」
 「あぁ。」

 ナナにとってプレイとは、遊ぶという段階のことである。

 「わかりました。」
 だから、頷いちゃいましたね。


 「なら、おまえ、俺の首元を噛め。」
 「えええーっ!?それじゃ、かわいがれませんよ!」

 のけぞる、ナナ。

 「噛みながらかわいがりゃ、いいだろ?はやく噛め。」
 「ぇぇぇぇえ!?」

 えーと、どんなプレイなのでしょうか?









 かおを近づけていったナナは、ガブリと噛みついた。

 「…ッあ…!」
 牙の間から溢れ出る血が、なめからな肌を伝い、Tシャツとシーツをあかく染めてゆく。

 「ンんん…っ!」
 牙を入れた瞬間、ナナには快感が押し寄せた。


 「もう、イキそうなのか?」
 すこしからだを起こし、問いかける薔。

 「ん………」
 ナナは目に涙を溜めて、こくりと頷く。

 その間も、肌には血が筋となって伝い落ちる。


 「……っ、」
 僅かに息を上げたが、ナナのTシャツを掴むと、薔はシーツに倒れ込んだ。

 「はぁ――――――…」
 そして深く、息を吐く。


 「んんっ……」
 ナナは聴覚まで、刺激される。


 つぎの瞬間、

 スッ―――――…

 薔はナナの両手を掴んで、片方はTシャツのなか、もう片方はボトムスのうえからソコに当てさせた。


 「こことここ、弄りながら吸え。下は脱がしてからやれよ?」








 「えええええ!?」
 顔真っ赤、くちびるも真っ赤で、思わずナナは起き上がった。

 「イヤか?」
 潤んだ瞳で、どこかしら切なげに薔は問う。


 「は…………」
 かすかに開かれたくちびるからは、熱い息がこぼれている。



 ゴク…

 息をのむ、ナナ。


 「ほんとうに、いいんですか?」
 「ん、」

 そんでもって彼女は、おもむろにかがんだ。

 「すみません…、吸いながらだと外せないんで、外させていただきます。」

 カチャ――――…

 ベルトに手を掛ける。



 「舐め合うわけでもねぇのに、シックスナインみてーだな、まるで、」
 「はい………?」
 6と9がなんなのか?と思い、ポカンとするナナ。

 「おい、こっち見ながらで、挟むなよ?」
 「ぎゃあ!すみません!生々しい!」

 そうこうしているうちに、無事、ジッパーも下ろされた。



 「ん…………」
 いったんやさしくキスをしてから、

 ツ―――――…

 ナナは首もとまで、くちびるを滑らせていった。

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