第42話:Love(+Friendship!).34





 「ん…………」
 やさしいキスの段階で、ナナは両手を薔の背中にまわしていた。

 くちびるをそうっと動かして、温もりは浸透してゆく。


 「はぁ……………」
 いったん、くちびるを離しはしたが、

 「もっと、するか?」
 「はい………、」

 ギシッ

 先ほどより大きな軋みを立て、ふたりは重なり合った。



 「ふっ、ぅ…、ンっ、ん…、」
 とろけてしまいそうなほど、気持ちは確かに熱を帯びる。


 「はぁっ、はぁ…っ、」

 そして吐息も更に絡めて、

 「……ッん、」

 どこもかしこもキスだけで敏感になる、わたしはあなただけの、




 …―A tropical fish<熱帯魚>.


 泳がせてください。

 熱きその海で。




 焼けるほどに熱いのは、構わない。

 熱中したい。

 ただ、あなたに。










 ※ご説明しよう。

 この物語は、あくまで、ラブコメである。







 まるで熱帯夜だったが、戯れは程よくか、キスだけでふたりは眠りに就いた。











 次の日の朝。

 「おまえ、大丈夫か?」

 なにがなのか?というお話ですが、只今ナナさんは新居(じゃないけど)のキッチンにて、料理に挑戦しようとしております!
 きちんとエプロンも、装着しております。


 「はい!お任せください!お芋でなければ、炎はあがらないと思います!」
 「あ?」

 できればお芋でも、炎あげないでほしいんだが、

 「安心しろ。もし上がった場合は、やさしくお仕置きしてやるよ。」

 薔が堂々と言い放ったんで、よくよく気づくとこちらのキッチンは、立派なIHクッキングヒーターだった。



 「え?これ、どうやって火をつけるんですか?随分平らですが、」
 意気込んでみたものの、ナナは戸惑いまくった。


 「仕方ねーな、初めはちゃんと教えてやる。」
 「ああありがとうございます!」

 戸惑いからは解放されたが

 「ぎゃーっ!教えるって、後ろからですかぁ!?」
 「おい、あんま動くな。押し倒すぞ?」

 つぎには、赤面が待っていたのでした。




 ほらね!
 ラブコメなんだよ!

[ 472/550 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る