第4話:Game(+Sadness).2
(き、気まずい………)
無言で歩く、雨のアスファルト。
この気まずさ、どうにかならないかな?
と、ナナが考えていたとき、
「言ってやるが、」
びくびくぅ!
突然、薔が、放った言葉。
「俺は同棲をしている。」
「……………は?」
同・棲?
「そのつもりで来い。」
なんでわたしは、かろうじて同棲の意味は知っちゃってたんだろう?
でも、待て!
「あのー、それ同棲という名の“監禁”のことじゃ」
「こっから車道に押し倒すぞ?」
………………えぇえっ!?
チクチク
なんだ?
この胸のいたみは。
このひとって名前のとおり、棘、持ってるのかな?
…………明らかに持っとるな。
別の意味で!
なんだかすごい、高級そうなマンションについた。
「すごいですね〜!こんなとこ、家賃いくらするんでしょうね〜!?」
「月25万だ。」
…………でぇえ!?
「ここなんですか!?それよりその金額、うちのお父さんの月収より高いんですけど!?」
「お前、親父いんのか?」
「え?あ、はい…………」
「ふーん、」
……………………。
やだ!
この雰囲気、ものすごくやだ!
「い、行きましょうか?」
なぜかナナからそう言い。
「お前から言うな。逆に吊すぞ。」
………………へ?
「吊され甲斐ならある。安心しろ。」
意味がわからずついていった薔の部屋は、15階に位置していた。
確かにここから吊されたら、たまったもんじゃないね。
…………………帰りたい!!
あたふたしているナナは、
「早く入れ。」
と襟を掴まれ、ものすごく不本意ながら、悪魔の屋敷へと足を踏み入れたのだった(屋敷というか、マンションだよ)。
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