※※第39話:Make Love(&Gasp).5





 セックスの余韻に浸るのか、ふたりは裸のまま、毛布にくるまって抱き合っております。

 寝る態勢に入ったのか、そこはほんのり真っ暗です。



 ナナのあたまを腕枕してやさしく撫で、薔はうっすらと彼女を見つめている。

 暗闇には目も慣れたため、手探りせずとも、よくわかり合っている。




 ちゅっ

 ふと、薔はナナのおでこにやさしくキスを落として、囁いた。


 「おやすみ、ナナ……」


 彼の微笑みは、暗いなかでも手に取るように眩しく映って、眠りをいざなう。



 「おやすみなさい、薔。」

 微笑み返したナナは、彼と共に、抱き合って深い眠りへと堕ちていった。






 …――Darling,

 Let's have a good dream.











 ――――――…

 大きな窓がある、広い部屋にて、薄明かりがひとつの机を照らし出す。

 街のネオンを、窓は絵画のように縁取って魅せる。


 机上には、写真立てが、とても大事そうに、飾られていて。




 「いちばんいい表情を、見せてくれたよな、」

 夕月は、ふっと、穏やかに、笑いながら呟いた。



 「写真てモンは、こころさえあれば、焼き付けられるモンだよなぁ。」






 カタ――――…

 彼は両手で、ゆっくりと丁寧に、写真立てを手に取る。



 瞳を細めて、愛おしそうに、写真と見つめ合いながら、


 「おまえも、ちゃんと、見ていただろう?」


 ひどく切なげに、掠れた声で夕月は言いました。






 「なぁ、美咲(みさき)……」










 ......surely,

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